どうする孔明のキッチン

「どうする家康」は上杉成敗のために家康が関東に向かった隙に三成が挙兵。大阪城を守る阿茶様(家康の側室:松本若菜)は絶体絶命のピンチ。

   
だが茶々(秀吉の側室:北川景子)を良く思わず、家康に肩入れしている北政所(秀吉の正室)の計らいで無事に脱出。だが伏見城を守っていた鳥居元忠は千代(元忠の妻:古川琴音)とともに討死。

   
徳川についた長男・真田信幸が出陣している隙に、信幸の城を乗っ取りに来た父・真田昌幸と次男の信繁(後の真田幸村)。だが信幸の妻である稲(鳴海唯)が戦装束で槍を構えて立ちはだかる。

   
ということで古川琴音さんと鳴海唯さんはクランクアップ。二人とも最後に見せ場があって良かった。北川景子はちょくちょく出てくるが三成と家康を戦わせる完全に悪役。

パリピ孔明」は第6話。今回がアニメでは最終回にあたる話。

   
ドラマ版は放送時間が長い分、進行も早い。最終回まで行っちゃってこの後はどうするのだろうと思ったら、コミックは15巻まで出ていていまは5巻あたり。まだまだ先は長い。視聴率は3%台らしいがTVerの再生数が多いのでとりあえずOKみたい。じゃあ、視聴率ってなんなのよって話だな。向井理孔明をやるために生まれてきたのかというくらいハマり役。いや、彼こそ孔明の生まれ変わりなのか。あと主人公が働いているラウンジのオーナー役の森山未來がいい。

   
この人っていままでは何を考えているのかわからない、ちょっと不気味な役が多かったでしょ。今回は単刀直入、わかりやすすぎるくらいにわかりやすい人。アニメ版ではそれほど目立たない役だったがドラマ版はちょっと違う。孔明が繰り出す数々の策略を主人公は知らず、視聴者も飛び飛びにしかわからない。それを孔明に聞いて解説を求めるのが三国志大好きのオーナーの役。つまり視聴者と同じ目線なわけだ。この設定はうまい。そこで回想シーンになってなぜか中国語の解説と日本語の字幕。感心したオーナーが「おまえ、超孔明じゃん!」とか「もう孔明を超えている。ビヨンド孔明だ!」と叫ぶ。

もう一つ、「あたりのキッチン!」が地味に面白い。コミュ障で人見知り、いままで友だちがいたことがない主人公(桜田ひより)が料理を通して誰かを助け、自分も成長する話。同じ大学の鈴代さん(工藤美桜)は美人で成績も良くていつもみんなに囲まれている人気者。だが彼女もある理由で友だちを作らない。友だちを作れない主人公と、友だちを作らない鈴代さんが第4話までかかってやっとアドレスを交換して下の名前で呼び合うようになった。

   

   
この二人を見ていると同性の友だちを作るのって、それはそれで難しいのだと思った。異性の友だちって本人が意識しなくても生物としての種の保存の本能、要するに性衝動が深層心理にはあって、それがドライブになっていると思うんだ。ところが同性の友だちって同じ趣味や同じ目的がある「同志」は簡単だけど、ただの友だちってより相手のことを知ろうとか、一緒にいる時間を増やそうとモチベートするものがないよね。このドラマ、桜田ひよりはハマり役、鈴代さん役も個性が強い人だと向いてないので工藤美桜は良い。二人にとって代表作になるのではないかな。

この3つのドラマ、大河ドラマは言うまでもないが、民放の2本は主役はもちろん、共演者や毎回のゲストキャラまで上手な俳優しか出ていないんだよね。なので没入感が大きい。ってことで、某事務所は当面無しってことでどうかな。