7月に読んだ本

夜の床屋 (創元推理文庫)

夜の床屋 (創元推理文庫)

ミステリの連作短編集。「日常の謎」的な作品集かと思ったら、だんだん話が大事になってきて作者も持て余し気味になってきて...


タイトルにひかれて買ったのだがイマイチだったなあ。誰もが持つ人生の選択、日常の悩み、これに過去の哲学者はどう答えているか。ただ、この手の本はけっこう読んでしまったのでイマイチと書いたが、最初の読んだのがこの本だったらなかなかの良書だったかもしれない。


どんでん返し (双葉文庫)

どんでん返し (双葉文庫)

びっくりした。笹川佐保の新刊だよ。とっくにお亡くなりになっているので過去に発表されたものだとは思うが、ミステリの短編集。ただ、どの話も会話だけ。ト書きがいっさいない。なので登場人物はどれも二人。三人になったら誰が言ったのかわからなくなるからね。しかも最後にどんでん返しがあるという凝った趣向。


光秀の定理 (単行本)

光秀の定理 (単行本)

司馬遼太郎の「国盗り物語」に出てくる明智光秀が好きなんだよねえ。この本も前から気になっていてやっと読んだよ。帯になんかの賞をとったと書いてあったが、なぜ?


八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

これ、かなり前に発行された本でタイトルは知っている。映画にもなったよね。母親がこれは良かった、泣けた、と言ってたので読んだみた。この人は本当に上手だね。長い年月の話なのだが、スポットを当てるところ、省くところ、主人公の回想にするところ。この組み立て方がうまい。やはりこの人は日本を代表する作家なのだと思う。だが涙もろい私だが泣けるところがない。どこで泣いたのか母親に電話して聞いた。


怪談狩り 市朗百物語 (幽ブックス)

怪談狩り 市朗百物語 (幽ブックス)

新耳袋」の作者の片方による実話系怪談集。新しい物が出てきたとき、その瞬間はわからない。あとから振り返ったときに「ああ、これはあそこから始まったんだなあ」とわかる。「新耳袋」は実話系怪談集のスタイルを確立した、もし「日本裏文学史」が編纂されることがあったら確実に掲載される作品だと思う。パイオニアであり、そのスタイルをほかの人が模倣するのだがけっして中山、木原の二人を抜けず、パイオニアの二人はいまでも作品を生み出し続けている。ホラー界の藤子不二雄のような存在だ。


ポニーテール (新潮文庫)

ポニーテール (新潮文庫)

私とすると何年ぶりかの重松清。父一人娘一人、母一人娘一人、その父と母が結婚をしたので姉妹になった小学校6年生と主人公である4年生。このお姉さんが無愛想でちょっと怖くてなかなか仲良くなれない。裏表紙に書いてあったこのあらすじを見てしまったらもう読むしかないだろう。読まないわけにはいかないだろう。作者は重松清だから、ラストは二人で笑いながら手をつないで...とは絶対にならないことはわかっている。


コンプリケーション (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

コンプリケーション (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

久しぶりに読んだ海外ミステリ。やはり重い。分厚いステーキと和食の違いを感じる。最後の方は疲れてきた。もう話を追い切れない。紹介文に「驚愕のラスト」と書いてあったが、あのラストはいらないのではないか。それともそれを前提に読み直すとなるほどと思うのかもしれないが、とても無理