3.9+5.1

ネットの拾い物の画像。

   

3.9+5.1の答えは9.0か9か。この画像では「9.0でも間違いではないが、小数点以下はいらないよ」という先生のメッセージと解釈する。これの元ネタを探すと6年前くらいに話題になったことらしい。それをまとめたブログがあった。

nehori.com

ここで取り上げている画像では減点にしている。それに対する否定派と肯定派の意見を紹介している。工学では有効数字の概念がついて回るので「3.9+5.1=9」は誤り。なぜなら

  9.0 = 8.95以上 9.05未満

  9 = 8.5以上 9.5未満

となり、8.6や9.4は「9」ではあるが「9.0」ではない。ただし、有効数字はもちろん、小学3年生では四捨五入さえまだ習ってないかもしれない。このブログの筆者の考えは

有効数字は誤差を含む数字にのみ考えられる概念です。例えば、次のように有効数字に基づいて正しく計算しました。でも、これは小学校算数・数学では正解になりません。
  1.1 + 1.11 = 2.2
再度いいますが、算数・数学の数字は誤差を含まない数字であり、次は公理です。
  9 = 9.0

そうだろうか。「有効数字は誤差を含む数字にのみ考えられる概念」という点は同意。だが筆者は数字には数を表わす数字と量を表わす数字があることを失念されている。数や順序を表わす数字「1個、3番目」には誤差はない。量を表わす数字「1メートル、3リットル」には誤差がある。そして小数は量に用いられるので、筆者の言葉を借りれば誤差を含む数字なのだ。よって「9=9.0」は公理ではない。便宜的に「3.5箱」という表現をすることはあるかもしれない。1ダース12本の鉛筆が、3ダースと6本あったら3.5箱。だかこれこそ小学3年生で学習する必要がない考えであろう。筆者の結論は

小数点と0で答えが終わるのであれば整数に整えて答えること。と算数の教科書に明記してあります。教科書に書いてあることは全国統一で教えなければいけない事項です(先生個人の判断ではない)。
教科書の内容に納得いかないのであれば、文部科学省にクレームを入れるべきです

いやいや、そこを議論しているのだが。私のお勧めは

いまは9でも9.0でも正解。どちらが本当に正しいかは上の学年で習います。お楽しみに

が良いのではないかな。先生個人の判断ではないのはわかるが、同じ先生が後で否定しなければならないことをわざわざ強調する必要はないよね。高校の数学で「厳密には違いますがそれは大学で習います」とかあったよね。でも大学の数学は「近傍」って言葉で片付けられちゃってより厳密で無くなったような気がするよ。