有効数字

こんなニュースがあった*1

  小学校の算数にまかり通る“奇習”は、子どもたちへの虐待である――。

  脳科学者の茂木健一郎さんがブログに投稿した「小学校算数に対する苦言」が議論を呼んでいます。

  発端となったのは、あるTwitterユーザーが投稿した

  「“3.9+5.1”の計算に対して“9.0”と書いた答案が減点されていた」という画像。

  この問題の正解は小数点のない「9」とされていました。

「3.9+5.1=9.0」だと減点、正しくは「3.9+5.1=9」だと。この記事も電波系脳科学者・茂木さんも「どっちだっていいだろう、そんなことで減点するな」という意味で書いている。だが私だけでなく工学部出身者がこの問題を見ると「3.9+5.1」は「9.0」が正解、「9」は誤りになる。小学校の先生も、記事を書いた人も、茂木さんも、みんなまちがい。どっちでも良くない。「9.0」だけが正解。理論の世界ではなく、実世界では長さとか重さとか時間をどの精度まで計測したかが問題になる。そしてそれらの数値の四則演算を行なうときは、計測した精度の範囲内で行なう。

  「9」は、8.5以上、9.5未満

  「9.0」は、8.95以上、9.05未満

つまり、「8.7」は「9」ではあるが「9.0」ではない。同じく「9.4」は「9」ではあるが「9.0」ではない。小数第1位が「0」だからといって省略してはいけないのだ。この問題は有効数字が2ケタ、かつ小数点1位までがわかっているので答えを「9.0」にして、「8.7」や「9.4」を排除しなければならない。よく考えたらこんなの大学の工学部ではなくて中学や高校でやらなかったっけ? それは小学校の範囲ではないからというなら「9.0」と「9」の両方を正解にしなければならない。ただ、「9.0」が正解の理由は上に書いたように小学生でも納得できるように説明できるが「9」でなければならない理由は、私はちょっと説明できないな。どうやって説明するの?