キャバクラ店長の嘆息

面白い記事があったので紹介する。

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営業を再開したのはいいが客足は鈍いようだ。そりゃそうだな。コロナの社会的な許容度がインフルエンザ並みにならないとキャバクラという業種自体に無理がある。ただ店長の心配は別のところにあるそうだ。

「3ヶ月間仕事がなくなった女の子たちは、地方のお店に行ったりして、うちが営業再開する時に戻ってきたのは以前の半分以下。店が通常営業に戻れば、給与もこちらの方がいいし、また来てくれるかと思ってるんですけど……」

「・・・」ということは戻ってこないわけだ。戻らないキャバ嬢の言い分が

「儲かんないなら行くわけないっしょ(笑)。水(商売)は理不尽なことを言われるとわかっているけど、補償も見舞金もないのに他店で働くな、戻ってこい、なんて何様って感じ。うちは地方回ったりしてたけど、友達の嬢はリモートキャバ嬢からライブチャット嬢になっちゃった」

わからない単語が出てきた。自粛期間中はオンラインでお客さんと話すオンラインキャバクラをやっていたが、これをやっているとあるとき気づく。

「べつに店を通さなくてもよくね?」

 そりゃそうだな、Amazonで注文するときは当店のPCから注文してください、価格は当店が決めます、と言ってるようなものだからな。ネットの世界では需要側と供給側の間に入って中抜きするのは難しい。お客さんと折衝して店を通さずにキャバ嬢と直接取引をすればいいわけだ。だがこれはこれで問題があった。

店に内緒でラインで客とビデオ電話して直で金振り込んでもらうようになったって。でもよっぽど話が上手くないと続かないし、結局下着見せたりしてセクシー路線に走るっていう…」

以前に特殊女優さんはコロナ禍の現在、どうやってイベントをやっているのか記事にした。その中で4000円だすと1分間だけ話ができるというのがあった。1分間は短い気がするだろうが友人でも同僚でもない人と1分間話をするのは大変だよと書いた。そうだよな、客と30分間話ができるのって高級クラブのホステスくらいだろう。昔、取引先の社長に銀座のクラブに連れて行ってもらったことがあった。あの人たちはすごいよ。私みたいな根暗なヲタクでもちゃんと話をつないでくる。もっとすごいのがその社長の会社でセミナーをやって冒頭の挨拶を社長がする。私もお付き合いで参加したら地味なスーツを着てホステスが来てるじゃないか。すげえな、銀座のホステス。話を戻して、話が続かないとセクシー路線に行くという。下着を見せるくらいで客が満足するならいいけど、さらに客をつなぎとめるにはどんどんエスカレートせざるを得ないだろうな。それがライブチャット嬢か。ただここにも障害があると思う。いままで普通の服装で接していた女の子だからちょっとした露出で「おおお!」となるだろうが、オンラインだけの新規の客を獲得しようとすると別の競争があるだろう。そっちはすげえ「えげつない」世界なので、いままでと別の競争になる。そうするといままでの客に飽きられたらそこで終了になるわけだ。やはりリアル店舗とネットを組み合わせるのがベストになるだろうが中抜きをされることを承知で店舗が雇うはずがないし、両方で利益を分け合ってWinWinの関係にしなければならないのか。あるいはオンラインが主体でそのショールームとしての店舗になるとかな。いまのような全国的な厄災があると、そこで世の中の仕組みが大きく変わり、新しいビジネス、新しいプレーヤーが出てくる。キャバクラがどう進化していくのか見守っていきたい。まだ一度も行ったことないけどな