北川景子「大女優への道」

モップガール第5話「社長さんがたいへんだ」の巻
番組開始10分以内に登場した見慣れない人が犯人である

     モップガールの定理

は今回も不動。この番組、ミステリーとして成り立っているのが北川景子をはじめ登場人物の全員がバカという設定になっているからなのである。今回も北川景子タイムリープして社長の友人を事故から救う。「ああよかった」と戻ってきて、しばらく経ってから友人は事故で死んだのではないと気づく。そんなのもっと早く気づけよ。事故ならタイムリープする前の世界で、社長が倉庫から黙って戻ってくる理由が付かないだろ。以前に推理小説の歴史を私が知っている範囲で書いてみたが*1、第1期・名探偵時代が飽きられた理由の一つが

     もし全知全能の探偵がいたら犯人はすぐに捕まるはずだ。

     または最初の一人が殺された段階で犯人は捕まり連続殺人事件は起こらないはず

だと思う。事件は犯人の思惑どおりに完遂され、しかも卓越した知能を持った探偵はそれを止められない。にもかかわらず関係者全員が死んだ後で、もったいぶって大広間で事件の謎解きをして犯人を指さす。途中でワトソン役が探偵に質問をしても「まだ確証がつかめないから」と教えてくれない。もしここで容疑者を指摘して、怪しい奴を片っ端からしょっぴけば第2、第3の殺人は防げたかもしれない。これが推理小説パラドックスである。この不自然さを読者に感じさせないために作者は物語全体の構成に頭をひねるわけだ。現代の第3期・新本格派時代だと探偵自身も事件に翻弄されたり、すべての情報を知る立場になかったり工夫がされている。ところが

     主人公はバカ

という設定にしてしまえば、ユルユルの構成でもミステリーとして成立するわけだ。バカなので一直線に解決までたどり着けない。バカだから誤った見込みで自らピンチに陥る。そのあたりがモップガールの基本設定になっているのだと第5話を見て思った。

     モップガール第5回まとめ

     おはなし  ★★☆

     おバカ度  ★★☆

     景子変顔  ★★☆

     コスプレ  ☆☆☆

     レオチラ  ☆☆☆

第6話はおバカ度の星三つだ。第6位の「暴れん坊ママ」にロックオン*2