これは面白いなあ。人気タレントを集めて作るドラマの対極にある作品。出演が成田凌、吉川愛、小日向文世、黒木メイサだもんなあ。この並びだけで誰が見るんだと。原作はコミックでまだ完結してない。当然、原作を大幅に改変しないとドラマを作れない、例のパターン。しかも同じ日テレ。それを意識してか公式サイトに原作者のコメントが出ている。
今回は実写ドラマ化に際し、原作が未完結という事もあり思う存分にオリジナルの展開にして下さいとこちらの方からもお願い致しました。制作陣の方にとってはチャレンジングな事だったと思いますが、企画から脚本までを拝見した限りとても原作にリスペクトを持って、より面白いものを作るぞという意気込み&熱量が感じられる内容になっていると思います。何より物語の根幹に関わるテーマはちゃんと引き継がれていますし、正直このネタ原作でも使えないかなぁという箇所もチラホラあります
だって。そうなんだよ、原作者が納得していること、改変しても面白いことが大事。それを原作者とテレビ局の間に立って調整するのが出版社の仕事だと思うんだよね。「先生、10話に収まらないので、ここの変更は妥協しましょう。その代わりこのエピソードは必ず残すように交渉します」というやり取りってドラマ作りに限らずどのビジネスでも存在するよね。
私は原作を知らないので比較はできないが、このドラマはシリーズ構成がすごく上手だと思うんだよね。映画の感想で「この監督はミステリーを映像化するノウハウを持ってない」と書いたことが何度かある。長い話なので物語の決着は最終回までお預けになるが、それだけでは視聴者が飽きてしまう。毎週、一人ずつ殺される連作短編集のような展開ならドラマ化は簡単だが本作は違う。45分でその回のテーマになっている謎はいったん解決するのだが、その奥に別の謎があることがわかり、あいみょんの歌が流れてまた来週。このタマネギの皮を一枚ずつむいていくというか、カードの切り方が上手。ところで「西園寺さん」や「密子さん」は全話がAmazonプライムでもU-NEXTでも見られるのだよね。ところが「降り積もれ」は無料で見られるのがTVerだけなので、1話から3話だけが無料。あとは1週間だけの見逃し配信のみ。私が一気見したとき放送は5話まで行ってたので4話が見られない。しかたないので4話を見るためだけにHuluに入ったよ。まんまと罠にはまったオレ。Huluってほかに何を見たらいいのか。
先週が第6話で真犯人が判明し2017年編はいちおうの決着が付いた。でも正体がわかってない人物が一人いるよね。真犯人を襲った奴。次回から2014年編になるみたい。すごいチョイ役で長谷川京子が出てきたでしょ。きっと彼女が終盤のキーマンになるんだろうね。これが小説やコミックと違った、実写化の弱点だな。
