真夏の映画まつり「マッド・ハイジ」「裸足になって」

先週末に映画を観に新宿に行った。外国人が増えたね。昼飯を食う店を探すのに苦労したよ。どこでもすぐに入れた3年間、これは神様からのご褒美だったんだね。東洋人は日本人と見分けがつかないので実際にはもっと多かったのだと思う。「こんな店、日本人なら絶対に並ばないよ」という店に並んでいたのは外国人だったはず。

   

大人になったアルプスの少女ハイジ、恋人のペーター(なぜか黒人)を殺された復讐に立ち上がる。クララ(ポスター右下)がどう見ても日本人。公式サイトによると日本とスペインのハーフで16才まで日本に住んでいたとか。残虐なシーンが多すぎて18禁だと。ハウス食品に謝れ。よその国が作ったら問題になりそうだが、スイス製だからいいのか。製作会社は無くて、クラウドファンディングで3億円集めて作ったらしい。公式サイトにライターが寄せたコメントがいい。「本作は冒頭で『この映画は映画愛の結晶だ』と宣言する。事実だが、映画愛を全力で履き違えているのもまた事実」。1,900円をドブに捨てる覚悟があるなら是非ご覧あれ。私は嫌いじゃないぞ。

   

「マッド・ハイジ」と正反対のところに位置する映画はアルジェリアとフランスの合作。バレリーナをめざす主人公だったが、強盗に襲われ階段から突き落とされたために大怪我をし踊ることも声を出すこともできなくなる。施設でひとりリハビリをしていると、いつも片隅に集まっておしゃべりをしている女性たちに気づく。誘われて輪の中に入ると、彼女たちはみんな失語症自閉症で、世話役の元でおしゃべりをしながら社会復帰をめざししている。彼女たちはみんなアルジェリアの内戦やテロ活動の犠牲者。みんなでピクニックに行った日、音楽に合わせて全員が踊ると主人公の上手さにびっくりする。「私たちにダンスを教えて」...この映画、ラストがずるい。クライマックスでビタっと終了。え、もうちょっと見せてよという終わり方。日本の新人監督はこの度胸が無いんだよね。また主人公が声を出せなくなる設定も、クライマックでのダンスと手話が組み合わさった表現で生きてくる。2本の映画、観る順番をまちがえなくて良かった。そうそう、主演のリナ・クードリさんは余裕で10代の役なんだが今年で30才なのか。

   
映像で見ると矢作穂香にそっくり。