真夏の映画まつり「ガンジー島の読書会の秘密」「ダンスウィズミー」「ワンス・・・ハリウッド」

この2週間で観た映画をまとめて。

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第二次世界大戦直後の話。大戦中、ドイツに占領されていたイギリスの島で読書会が行われて人々の心を癒やしたという記録を発見した小説家。その読書会のドキュメンタリーを執筆するために、中心人物であるエリザベスに会いに行く主人公。この人はディズニー映画でシンデレラをやった美人な。ところがエリザベスは行方不明で島民に読書会やエリザベスのことを聞くと口を閉ざす。いったいなにがあったのか...てっきり、島民がみんなでエリザベスを殺害して埋めちゃって、それを調べる主人公にも魔の手が迫る、という話かと思ったら全然違った。島の自然や素朴な島民の中で暮らすうちに主人公が本当の自分を発見するという再生の物語だった。ラストはちょっとどうかなと思うのだが、この時代の人はそういうものの考え方をするのだろう。主人公と風景がとにかくきれい。

 

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このポスターが素晴らしい。両手が対角線になっていて丸く広がるスカートの右下と空白の左上の境界線になっている。ブルーのスカートと薄いブルーのブレザーと背景。それに赤いストラップの靴とタイトルのコントラスト。「アナと雪の女王」が流行っていたころ、観に行った人にどうだった?と聞くと「ミュージカルなんで登場人物が突然に歌って踊るんですよ。それに慣れるのに時間がかかりました」。この映画は音楽を聴くと身体が勝手に歌って踊る催眠術をかけられた主人公。つまりミュージカルのフォーマットをとらないミュージカル映画なのだ。オフィスやレストランで歌って踊るシーンがすごく良かったのに、主人公は術を解いてもらうために催眠術師を探す旅に出る。そこで出会った人と一緒に旅をしたり別れたりというロードムービー。終盤でちょっと中だるみ感があったが全体的に楽しめた。なにより主役の人、左斜め下からのカットが沢井美優にそっくり。沢井美優が選ばなかった未来、選べなかった未来を観ているようで心穏やかでなかった。

 

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どんな映画かまったく予備知識なく、タランティーノ監督ってだけで観に行った。たしかに映像や話の運びがタランティーノだ。クライマックスの殺戮シーンもタランティーノ。ただ、落ち目の俳優と専属のスタントマン、対照的な売れっ子の女優(この女優がカルト集団に殺害された実話がラストのエピソードになっている)、彼らのエピソードの積み重ねで全体を通してのストーリーは無いので、けっこう観る人を選ぶのではないだろうか。