年度末ビデオまつり「KIMI/サイバー・トラップ」「隣の家の少女」

高市さん、ファイト!

ゲーム・オブ・デス
【500円】7人の若者が知り合いの別荘でパーティーをしていると地下室で古いゲーム機を見つける。やってみるとカウンターが表示され、時間内に人を殺さないとプレーヤーが死に、カウンターの人数(24)が0になるまで終われないというゲーム。当然、本気にしなかったが一人の頭が破裂するのを見てこれが本物であることがわかる...絶望的すぎてつまらない。かといってファイナル・デスティネーションみないな仕掛けがあるわけでもない。どうやって罪悪感を最小限にしながら殺人をするかのアイデアは技あり。でも生き残ったところで死刑になっちゃうから。

シャドウ・イン・クラウド
【1,200円】第2次世界大戦時、特命を帯びて戦闘機に乗り込む主人公がクロエ・グレース・モレッツ。欧米の俳優って彼女みたいにミドルネームを略さない人がいるのはなんで? 書くのが面倒くせえよ。主人公は乗組員からは歓迎されず離陸するまでは銃座(底面に付いている半円形のやつ)にいるように命じられる...ポスターがネタバレだが、変なのが出てきたりゼロ戦と交戦したりで、どんどんB級感になっていく。そして残り30分になると「クロエ・グレース・モレッツはなんでこの映画に出た?」というくらい完全なB級映画になる。そうか、これはそもそもコメディ映画だったのか。でも前半はクロエが銃座に入っていて、ずっと彼女の顔しか映らないのでファンにはたまらない映画。

KIMI/サイバー・トラップ
【1,700円】タイトルの「KIMI」はGoogleアシスタントやAmazonAlexaみたいな音声認識でPCや家の電化製品をコントロールする機械。主人公はKIMI音声認識精度を高めるために、誤認識の事例から新しい単語や文法のルールを追加するエンジニア。ただし過去に受けた暴行が原因で対人恐怖症と広場恐怖症になっていて家から一歩も出ずに仕事をしている。ある日、KIMIの対話記録から女性が暴行され殺されたと思われる音声を発見してしまう。担当部署に相談すると担当の部長からオフィスで話を聞きたいと言われ、何年ぶりかで外出をすることになる...最後は殺し屋に襲われるのだが、冒頭に出てくる内装工事や隣人が伏線になっているのが小気味よい。拳銃を持った3人の殺し屋に主人公はある物で応戦をする。最近、これは日本で起こったことかよという犯罪が多い。心配な人は主人公が使ったある物を家庭に常備しておくと良い。これは誰でも買えるんだよね?

FEAST

FEAST

  • Weinstein Company
Amazon

The FEAST/ザ・フィースト
【1,200円】U-NEXTには1作目があり、Amazonには2作目と3作目がある。田舎の一軒家のバーで騒いでいる客たち。そこに血まみれの男が入ってきて、ここは怪物に囲まれていると告げる...そこからは怪物との攻防になるわけだが、緊迫感を出すため、あたかもそこにいる人の視界のようにアップの映像が上下左右に振れる。それがやりすぎで状況がよくわからない。

グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]
【1,200円】最強殺し屋伝説国岡の続編。今回はある会社からの依頼で殺し屋になりたい女の子たちを特訓する話。ただこの女の子たちは背負っているものは何もなくて、新しいバイトをする感覚で「殺し屋ならできるかなあ」って、できねえよ。特訓になってんだかなってないんだ。ラストは半グレ集団との総力戦になるが、女の子たちは意外にも特訓の成果が身についていた。

隣の家の少女
【1,500円】胸糞映画のベスト10には必ず入っている映画。AmazonにもU-NEXTにも無くて、DVDは中古でも3000円くらいする。わざわざ胸糞悪い思いをするために大金をはたくのもなあと思ってたらU-NEXTで会員無料で公開された。これはたしかに胸糞悪い。過去に見た胸糞映画は、敵が圧倒的な支配力とか戦力を持っているので主人公側は逃げることも戦うこともできない。ところが本作は主人公の男の子が自分の親に訴えさえすれば隣の少女を救えるのに、それをしない。その主人公のヘタレさこそがこの映画の胸糞悪い点だ。プロローグとエピローグは中年になった主人公が出てきて、本編は主人公の回想という形になっている。この少女を救えなかったことが主人公の一生の心の傷になっていると告げる。そりゃそうだ。すべておまえのせいだ。少女には足の悪い妹がいて、妹を残して逃げられなかったのが悲劇を招くわけ。てっきりエピローグでは主人公が少女への贖罪としてその妹と結婚したのだと思ったがそれもなかった。ああ、胸糞悪い。見ない方がいいよ。

追憶
【800円】幼なじみの3人、ある理由から今後は会わないと約束する。25年後、3人は刑事、被害者(死亡)、容疑者として再会することになる...俳優は脇役にいたるまで豪華なんだ。関係者が正直に話せば30分で終わる映画だが、話せない事情をそれぞれが抱えている。それがすべて明らかになると「なるほど!」とは思ったが、この映画は脚本がひどすぎる。これだけの俳優を集めながら、よくこの脚本でプロデューサーはOKを出したな。ミステリーの経験がない人ではないだろうか。カードの切り方が絶望的に下手。