冬のビデオまつり「ポスト・モーテム」「ポテチ」

11月も来週から後半かあ。U-NEXTでは無料だった作品を中心に。

セブン・サイコパス
【1,200円】映画の脚本家の主人公、スランプでまったくアイデアが出てこなくて酒ばかり飲んでいる。サイコパスの話にしたらと友人のアドバイスをもらうが、それでも話が浮かばない。すると友人が「サイコパス募集」と新聞広告を出してしまう。さらにこの友人が盗んだ犬がギャングのボスの愛犬、血眼になって探している...サイコパスの身の上話を聞く前半は面白かったが、後半の無茶苦茶な展開が好きになれなかった。なにしろサイコパスのすることだからなあ。

リアルホラー
【1,000円】「リング」の原作者である鈴木光司原作の実話怪談集の実写化。30分を6話で、一人だけ有名な俳優が出ている。タイトルの「リアル」は、超自然では無いという意味。一話だけ幽霊が出る話があるのが、残りは「怖い人」。ただ、これまた一話だけ絶対に実話ではないだろうという話がある。これが実話だったらこの話は誰から聞いたんだよと。

ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス
【1,900円】珍しいハンガリー映画第一次世界大戦後のハンガリーの田舎町。若い男は戦争で死に、村はスペイン風邪で大量の死者が出る。そこに呼ばれた主人公は遺体写真家。写真が高価だったからだろう、生前には写真がなくて、その人が死んだ後に家族と一緒に写真を撮って残しておく。まるで生きているかのように注文のポーズで撮影するのが主人公のノウハウ。そのころこの村では怪異現象が頻発していた。何の力もない主人公だが、彼を珍しがっていつも付いてくる少女の助けを借りて調査を始める...ストーリーはけっこうありきたりだが、ほぼモノクロに近い抑えた色調が寒々として陰鬱な村の雰囲気を出してすごくいい。物静かな主人公と、明るい少女の対比も微笑ましくて暗くなりすぎない。無愛想な下宿屋のおばさんが、溺死しそうな主人公を水に飛び込んで助ける有能さ。

ABC・オブ・デス2
【1,500円】死に関するショートストーリーを26人の監督がAからZまでのタイトルで作っている。日本の監督も2人いた。本作は第2段だが、前作はほとんど記憶がないので本作の方が印象深い作品が多かった。

ポテチ
【1,700円】伊坂幸太郎の短編の映画化。ハリウッドで映画化された「マリアビートル」や生田斗真主演で映画化された「グラスホッパー」のようなアクションは無い小品。だが伊坂幸太郎が書く物語での登場人物の無駄話、小説の間、不意に訪れる脱力感を見事に再現している。その再現度の高さは濱田岳木村文乃大森南朋石田えりの名演によるところが大きい。濱田・大森はフィッシュストーリー、さらに濱田はコインロッカーにも出てたよね。エンドロールを見るまでわからなかったが松岡茉優がチョイ役で出ていた。2012年だとブレイク前なのでファンの人も本作は見逃しているのではないか。

ムービー43
【1,500円】映画.comの紹介を転載するね。「ヒュー・ジャックマンケイト・ウィンスレットナオミ・ワッツエマ・ストーンリチャード・ギア、クロエ・モレッツほか豪華オールスターキャストが集いながらも、批評家、観客双方から酷評され、大コケしてしまったオムニバスコメディ」。12人の監督が、これでもかと言うほどの下ネタを入れておバカな映画を作った。これのどこに勝算があったのだろう。首からタマキンが生えているヒュー・ジャックマン、彼の家で初潮を迎えたクロエ・モレッツ、スーパーマーケットで館内放送のマイクが入っているのを知らずに別れた彼と延々とエロ話をするエマ・ストーン

ジェサベル
【1,200円】ブラム・ハウス製作なので映画の出来は悪くないが、後味が悪すぎるので1,200円。交通事故で婚約者を失い自分も車椅子の生活になってしまった主人公の女性。財産もなく生活もできないので長く会ってない父親の家に身を寄せる。死んだ母親の部屋をあてがわれるが毎晩、悪夢に悩まされる。なにか母親と自分の出生に秘密があるようなのだが...主人公はなにも悪いことをしてないんだが。でも「呪怨」だってそうか。