問題はそこか?

外食産業に関する2つの記事。*1

「いきなり!ステーキ」社長、挽回の「秘策」を激白

運営会社ペッパーフードサービスの2018年12月期の業績は、売上高が前期比75.3%増の635億円、営業利益が同68.1%増の38.6億円だったものの、海外事業の減損が原因となり、1.2億円の最終赤字となった。

 それともう一つ。

*2

"駅前深夜"の日高屋が客離れで苦戦のワケ

ラーメンチェーン「日高屋」の業績が伸び悩んでいる。「駅前・深夜」に強みをもっていたが、既存店客数・売上高ともに不調にある。なにが起きているのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「昨年4月末の値上げと人手不足が原因だろう。同じラーメンチェーンの幸楽苑が復活しているのとは対照的だ」と指摘する

 理由はいろいろ書いてあるが、どちらも根本的な原因はこれではないか?

まずい

表面が焦げているのに中が冷たいステーキと、インスタントに劣るラーメンと餃子。いきなりステーキは「肉だ、肉。とにかく肉を腹いっぱい食いたいんだ」という人には良い。だが日本のステーキの主流は表面を強火で焼いて油が出ていかないようにし、あとは中火だか弱火で蒸し焼きにする*3。それをするには大きな鉄板で焼かなければならないが、スリットがついた鉄板で焼くので蒸す工程が十分でない。日高屋はラーメンや餃子を安く早く作るには専門店ほどお金も時間もかけられないのはわかる。だが手を抜きすぎると研究に研究を重ねて作ったインスタントやコンビニに負ける。

それでもラーメンは工場で作った生麺とインスタントにまだ差がある。だがカレーはレトルトの完成度が高すぎて、インド人がやっているカレー屋*4でもレトルトよりおいしい店は少ないよね。あと、セブンイレブンのざるそばも相当な水準に達している。もう多店舗展開と低価格を同時に追求するのは無理な時代に突入したのではないか? 店を増やせば人手がいる。だが低価格を追求すると人件費が上げられない。そして時給が安いと人が集まらない。安くすませたいならインスタントやコンビニがあるので、いきなりステーキも日高屋も店舗を少なくして値段を5割増しにしても、おいしければまた行ってみたい。

*1:

toyokeizai.net

*2:

blogos.com

*3:と、「美味しんぼ」で山岡が言っていた

*4:実際はネパール人が多い