真夏の映画まつり

台東区役所まで行く用事があって、昼前に出社しても3時になったらプレミアムフライデーだから1日休みにしちゃったよ。
     
舞台は福島原発仮設住宅が建っているいわき市瀧内公美演じる主人公は市役所に勤務しているが週末は夜行バスで東京へ行き渋谷でデリヘルをやっている。母親は津波で亡くなり、農業をやっていた父親は助成金でパチンコの毎日。主人公がなぜデリヘルを始めたかは語られない。てっきりその点について本人か他人が問い詰めることになりこの映画のタイトルになるのだと思っていたがまったく違った。福島の原発で発電した電気が送電線で東京に行くように、主人公も週末になると違う自分になるために東京に出てくるということか。お金に困ってでもないし、渋谷で稼いだ金で贅沢をしているわけでもない。市役所の人が客になってデリヘルがばれるというわけでもなく、客に交際を申し込まれることもなく、淡々と日々が過ぎていく。なにが言いたかったんだ、この映画は。主人公役の瀧内公美、劇中で何度か脱いでふつうに胸も見せているが流れから行ってあそこで隠すと逆に不自然。本人が有名女優でないこともあるが、とくにそのシーンを売りにもしていない。ふつうはこうだろう、小松彩夏


     
ホラー映画というよりオカルト映画。17世紀のアメリカ、信仰に対して一途すぎて逆に教会から疎んじられ町を追放された一家。両親、長女、長男、男女の双子、赤ん坊は森の近くの荒れ地に住む。赤ん坊が何者かに連れ去られ、森に入った長男が行方不明になり、ヤギの乳を搾ると血の色の乳が。魔女の仕業か、悪魔の仕業か、誰かが悪魔に魂を撃ったのではないか、疑心暗鬼になる家族。疑いが長女に向けられたとき悲劇が始まる...と、バリバリのオカルト映画。欧米の童話って必ず「森」が出てくるでしょ。あっちでは森が神秘的で美しくもあるが怖いところなんだろうね。日本だと山とか海になるのかな。結局、なんだったのかよくわからないのがこの手の映画。


     
先に言っておく。北川景子の出演時間は合計で5分ほど。だが、この映画は観に行くべし。映画としてよくできている。大きい事件が起きるわけではないのだが回想シーンである少年時代の物語がテンポ良く進行し、幕間に小栗旬の押さえた演技が光る。なりより主役の女の子がいい。よくこんな子を見つけたな。この役は難しいと思う。ちょっとまちがえると「そんな奴いねえよ」と、わざとらしい、鼻につく存在になってしまう。たぶん広瀬すずや土屋太鳳では無理。今風ではないちょっと昭和のテイストで、印象の薄い顔立ちだからできる役。やはり映画の主役は役にあった人を当てるべきだよ。北川景子は30分ごとに15秒ずつ出てくる。本格的に出てくるのはラスト。北川景子の少女時代を演じているのが「悪夢ちゃん」で小学生だった大友花恋。うーん、月日の流れを感じるぞ。