(例によってネタバレはありません。てか、これを読んでもどういう映画かわかりません。たぶん)
見てきたよ。「ジャッジ」と同じTOHOシネマズ。あっちはいちばん小さいスクリーンだったが、こっちはいちばん大きいスクリーン。なのに観客は10人未満。寒かったよ。これはなかなか異色の映画。障がいを持っている主人公、恋愛、結婚、出産、そして死。この5つが並ぶとふつうはこういう点にスポットを当てるだろうと誰もが予想する。主人公の苦労といらだち、回りの偏見、協力者の無償の愛と奉仕、主人公に恋する男性の葛藤、結婚の障がいとそれを乗り越える力、結婚生活の苦労、出産への怖れ、誕生の喜び、死の悲しみと回りの人の後悔。これは泣ける、泣けないはずがないとハンカチを3枚くらい持って行った人は肩すかしをくらう。この映画ではそれらはあくまでも背景、主人公のバックに映っているだけなのだ。ではこの映画の前景はなにかというと、障がいを持ちながらも明るく軽やかに生きる主人公の姿。すでにドキュメンタリー番組が放送されているストーリーなので、この映画のいちばんのライバルは「余命一ヶ月の花嫁」ではなくて、ドキュメンタリーなのだと思う。そこで前景と背景を入れ替えるという冒険をこの監督はやったわけだ。その心意気に拍手を送りたい。
そんなことより、この映画で特筆すべきことは別にある。それは
北川景子がくそかわいい
普通の人感を出すために全編が薄いナチュラルメイク。結婚式のシーンでさえいつもの北川景子よりメイクが薄い。「謎解きはディナーの後で」が天ぷら、「ルームメイト」が唐揚げ、「ジャッジ」がフライとすると、「抱きしめたい」は刺身いや活き作り。素の北川景子の魅力が全開だ。どの映画か忘れたが「どアップ」のシーンがあって「セーラームーンのときのようにはいかないね。そりゃ27だもんね」と思ったが、この映画を撮影したときは
お肌の具合がすこぶる良い
ストーリーの好き嫌いはあろうが、北川景子のイメージビデオとして千金の価値がある映像にしあがっている。最後に「あれ?」と思ったのが、主人公が死んだ後。けっこう長い。あれは必要だったのか? まあ、ダブル主役なので錦戸のシーンも必要だったのだろうが、司馬遼太郎の小説みたいに後日談は物語の途中に挿入し、主人公が死んだところでラストのスポーツ用品店のシーンを挟んでエンドロールという手もあったのではないか。だがそういう過剰な演出を避けるのが監督の方針なのかもしれない。さあ、つぎは悪夢ちゃんか。きょうの北川景子のブログ、
今日から新しい作品にクランクインしました。
実は抱きしめたいの公開前後から、次の作品の物も合わせて色々レッスン事をしてバタバタとしておりました。
「レッスン」にするか「お稽古事」にするか迷って「レッスン事」になっちゃった北川景子。てへっ! レッスンが必要な役ってなんだ?