ゆとり世代の特徴はゆとり教育だからではない

娘が女房に「ブラジャーを買いたいんだけど買いに行く暇がないんで、見かけたら買っておいて」と頼んだ。女房はたまたまヨーカ堂に入ったので、涼しいのが売りのブラジャーを買った。結局、娘も買いに行く時間があったので自分でも買った。女房が買ってきたブラジャーを手にとって娘が怒っている。「なんで5,000円なの? あんたバカ? 私が買ってきたのは500円だよ」。おまえ、それは逆だろう。私の感覚だと、高い買い物をした子どもを叱るのは親だ。だが、いまは逆なのだ。いまの子どもはとにかく安いものを買う。仕事がハードな分、ふつうのOLに比べると高給取りのうちの娘でもだ。
ゆとり世代という言葉を聞く。だがこの世代の消費傾向を形成しているのはゆとり教育ではない。ゆとり教育とはいっても、実際は私の世代とそれほどの差はない。以前も書いたことがあるが、この世代の特徴は、日本が近代化してから初めて、生まれてから大人になるまでずっと低成長だった世代なのだ。私は高給取りではないが、幸い子どもが一人なのでそこそこお金をかけることができた。なので倹約家になるように育てた覚えはない。子どもの前で給料が安いとか貯金はないとかお金の話をしたことはない。それでも失われた20年に成長した子どもは、時代の空気を感じ取って育つのだ。この世代はヤバいぞ。彼らが親になったら、「消費は罪悪」であるかのような教育をするだろう。ますます経済が縮小してしまう。せめて私たち高度成長期世代、その後のバブル世代は浪費をしようではないか*1

*1:なんのいい訳だよ