1月に読んだ本

この本は行きの電車で読み終わりそうだ。帰りの電車で読む本もカバンに入れておかねば。だがきょうは持ち帰った会社のPCを持って行かないと。本を2冊も持って行ったらカバンが重すぎる...そこでkindleか! 買って2年も経つのにほとんど使ってなかったkindle。やっと正しい使い方がわかったよ(遅すぎるだろ)。カセットテープやMDをいくつも持ち歩いていたのがデジタルプレーヤーになったら数百、数千曲を持ち歩けるようになった。kindleは大量の本を持ち歩くためにあったのか(なんだと思って2年前に買ったんだよ)。しかも私は読み終わったらすぐに捨てちゃうので部分的に印象に残るシーンを後から読み返したくてもできない。kindleなら仮に容量がいっぱいになって消しちゃったとしても、一度買った本は何度でもダウンロードできる。よし、決めた。新刊図書はkindle版があるものはすべてkindleだけにする(2年前に気がつこうよ)。


赤い博物館

赤い博物館

「このミステリーがすごい」の十何位かに入っていた本。「赤い博物館」と呼ばれる、過去の証拠物件を補完してある部屋。捜査の失敗からそこに左遷になった刑事が、その部屋の主(ぬし)である美人の室長と過去の迷宮入り事件の謎を解く。安楽椅子探偵+ちょっとだけ関係者の聞き込み調査で、当時の捜査資料のわずかな引っかかりから真実に到達するというロジカルな面白さ。


さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

これも「このミステリーがすごい」に入っていた本。主人公は北川景子のドラマに出てきたような探偵。だがあれほどタフではない中年にさしかかった女性。廃屋の調査をしているときに床が抜けて大けがをし入院するところから物語が始まる。痛む身体でも、正義のためではなく生活のために仕事を引き受けて、そこでもいろいろなトラブルに巻き込まれていつも満身創痍。本格ミステリーに出てくる「名探偵」ではないので身体を動かして調査をしながら少しずつ真実に近づく過程が読み物としての面白さになっている。名探偵の推理はたしかに鮮やかだが、もっと早く公表して事件を未然に防げよって思うでしょ。


なかなかの名著。近年の右傾化(とは私は思っていないが。むしろ左傾化していたものが中道化したのだと思う)や排外主義(これも反対に振れていたのが元に戻ったのだと私は思っているが)は「縮小するパイ」に対する危機感の表われという視点は見事。限界が見えてしまっている財政や安全や利便さを提供する社会制度を外国人のために使いたくない、税金を納めていない人のために使いたくない、これは戦前のナショナリズムとはまったく異質のもので、倫理の問題ではなく経済の問題であると。


情報を読む技術

情報を読む技術

内容をまったく覚えていない...


「学力」の経済学

「学力」の経済学

これも名著。教育に携わる人−教師、塾の先生、子どもを学校に通わせている親−はぜひご一読を。教育のあり方が日本では精神論で語られているが、経済学的、科学的な手法で教育を分析すると文部科学省や親が唱えるものとは別の様相が見えてくるという本。国内で同じことをするのは難しくても海外で行なわれた実験や大規模な調査の結果が公表されているので、なぜそれを参考にしないのかと著者は訴える。40年間に渡る子どもの追跡調査によると、40年後の年収や社会的地位と小学校の成績の関係=算数や社会の成績ではなく、別のものに相関する。少人数学級の効果=学力が劣っている子どもにだけは効果があるがそれ以外は無意味。小学生の学力テストで秋田県が一位=別の観点では東京都が一位。どう、読みたくなったでしょ。


「陽気なギャング」シリーズの三作目。前作と間が空きすぎて登場人物をまったく覚えてないよ。ギャングの正体を見破り強請ろうとするフリーの記者をやっつける。


仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。

仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。

先日の記事にちょっと書いた、コピーライターは100を超える案を出すことができる。そのアイデアを出すためのツールの解説。アイデアを出すとか、それの元になる情報をメモする・整理する、これはコピーライターでなくても必要なことであり、なかなか参考になることが多かった。


この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

ぜひ小学校や中学校の教材にして欲しい一冊。赤貧の家庭に生まれ、友人もワルばかり。その環境にあっても少女時代の著者はあるとき気がついた。自由になるには金がいる。幸福は金では買えないだとか、金だけが人生ではないと言ってる人が持っている人生の自由を手に入れるには金が必要なのだ。私の娘が職場の忘年会のビンゴ大会で当たった景品、笑いを取るためのハズレの景品だった蛭子能収カレンダー。娘は捨てようとしたが女房がもったいないからと玄関に飾って毎日めくっている。ある日の格言、「やりたいことが見つからないならとりあえず金を稼ぎましょう」に通じるものがある名著だと思う。今月は名著が多いな。


我が家のヒミツ

我が家のヒミツ

奥田瑛二の最新の短編集。大きな事件が起こるわけではないが、kindle版で買ってよかった。1作目と最後の作品は数回読み返した。これもお勧めだ。


「超」怖い話 怪仏 (竹書房文庫)

「超」怖い話 怪仏 (竹書房文庫)

恒例の寝る前に読んでいた本。