スイスではマグドナルドの店員の時給が2,000円だとよ

興味深い記事を見つけたので紹介する。まずはタイトル、なぜスイスでは店員に2,000円の時給が払えるのかを考えて欲しい。

  ・スイスのマグドナルドでは全員が正社員の高給取り

  ・スイスにはモスバーガー吉野家もコンビニもないのでファストフードではマグドナルドが独占状態

  ・そもそも日本の非正規社員が安月給でこき使われているのでバイトに2000円は外国ではあたりまえ

どれも違う。こちらの記事によると*1、スイスと日本ではマグドナルドの価格が違う。世界中のどこでも売っているもので、農産物や石油のように風土の影響が少ないものの代表ということでビッグマックの価格でその国の購買力を見る手法があるらしい。これを「ビッグマック指数」と呼ぶそうだ。この記事は一部しか書いてないので、この記事の参照元*2の表をこのブログで見やすいようにExcelに入力したのが下の表。
     
スイスは物価が高いと聞いていたので納得するが、アジアでは韓国・フィリピン・シンガポール・タイより安い。経済危機のギリシャより下にいて、振り返ればヤバそうなコロンビアや貧乏そうなリトアニアがいる。日本はファストフードの競争が激しく必要以上に低く抑えられているという点を考慮しても、海外の旅行者が自分の国でも売っているようなものまで日本で買いまくる理由がわかる。日本は不動産を別にすれば、いつのまにか物価が安い国になってしまっていたのだ。スイスの時給2,000円をビッグマック2.4個分とすれば、日本の時給は888円になる。そう考えると日本のマックの店員は安くない。
しかし、日本は世界第3位の経済大国なのになぜこんなに物価が安いのか。じつは世界第3位なのは人口が多いことによる。人口が1億2千万人というのはヨーロッパの2国分だ。GDPを人口で割ると知らない世界が見えてくる。これも記事には抜粋しか書いてないので、参照元*3から一人当たりの名目GDP(USドル)ランキングの表を転記する。なお、私は「名目GDP」ってなんだかよくわかってないので、これで比較をするのはおかしいなど異論があれば遠慮なく指摘して欲しい。
     
ヨーロッパつえええ〜 産油国より下なのはしかたないとして、アジアだと香港より下、シンガポールなんか背中も見えない状態。戦争ばかりしているイスラエルより下だぜ。さらに日本は生産人口はどんどん減って、高齢者の医療費は増えるばかり。これを見ると、国連の拠出金とかODAなんかしている場合ではない。国立競技場に1000億円以上もかけるなど問題外。ただし為替レートの問題はある。円安ならドル建の順位は下がって当然。また国力という点では総GDPも大切。さらに富がどのように分布しているかも重要。極端な金持ちや極端な貧乏人がいなくて中産階級の層が厚いのが日本の特徴。なので、これらの表を見てすぐに悲観することはないと思うが、日本は世界有数の金持ちというわけではないように思う。
とくに海外旅行をするときは注意した方がいい。女房と娘は、昨年にギリシャ、今年はスペインに行ったが、あまりの物価の高さに「ワインもオリーブオイルも近所のスーパーのが安い」と、ほとんど何も買ってこなかった。これは現地の物価だけでなく、女房も娘もケチという要因も無視できないが。