がんばれ沢井美優「ようこそ!うさぎちゃんリターンズ」−東京都大田区−

逆算するとどうしても今日中に大田区まで行っとかないと追いつかないよ。でも、大田区っていままでの私の人生にまったく出てこなかったのよね。たぶん、私が死ぬとき「大田区...大田区って行ったことあるかなあ。そうだ、沢井美優のミュージカルで1回だけ行ったな」と思い出すに違いない*1
だが、蒲田のあたりとか墨田区向島のあたりって町工場が集まっているんだよね。こういうところにとんでもない技術をもっている工場があったりするから日本はすごい。たとえば、LSIとかを作るにはシリコンを平らに、極限までフラットに切り出さなければならないわけだ。すると、それを作る機械の台の上は製品よりも1ケタとか2ケタ上の精度のフラットさが要求される。その機械を作っている会社は知っている。営業に行ったことがある。15年前に行ったときは平屋の町工場だったが、最近そのあたりに行ったらでかい自社ビルが建っていた。話はまだ終わりじゃなくて、その機械を作るとき、正しく平らになっているかを計測するための定規が必要なわけだ。するとその定規がどのくらいの精度でなければならないかは、もう想像さえつかない。想像できないから文章にできない。もはや機械では出すことができない精度だそうだ。そういう会社が蒲田にあると日経ビジネスで読んだ。
あと墨田区向島にある町工場では細いパイプだかノズルを作っているそうなのだが、スペースシャトルに必要な部品で、NASAが求める精度で作れるのは世界にただ一ヶ所だけだそうだ。だからこの町工場では見積書を作ったことがない。すべて言い値なんだそうだ。「いやならよそに行ってくんな」と言われても行くところがない。だから社員旅行は全員でハワイに行くらしい。
学生諸君よ、今の世の中、10年先まで安泰な企業など断言するが無い。仮に会社は存続していたとしても、君が10年後にそこの社員でいられる保証はまったくない。いまは売り手市場だが、これもサラリーマン生活20年以上、3つの会社を渡り歩いてきた私が断言するが、

     売り手市場のときに大量採用した社員は、数年後、遅くとも10年後に必ず余る*2

大企業ほど、30才を過ぎると山のようにある関連会社に出向になり本社にいられるのは一握りだ。それより後継者不足に悩む蒲田や向島の町工場に就職したまえ。大企業などいまや製造業はアセンブリだけ、非製造業は段取りしかしていない。そんな業種は将来、中国やインドの大資本が容易に参入してくる。それより、この部品を作れるのは世界でここしかない、という会社に就職してみないか。もうミュージカルとまったく関係ないけどね。
ところで、会場である大田区民ホールを写真で見たらact24でセーラームーンがタキシード仮面の正体を知るシーンのロビーにそっくり。もしかして、ここはロケ地?そんなら万丈さんやこっちよ!さんとセーラームーンごっこができるではないか。と思って調べたら、あれは別の場所だったよ。

*1:死ぬときに考えることが大田区かよ

*2:うわああ、言っちゃった