元気な中小企業を見て元気になろう

1月クールは楽しみにしていた番組がいろいろあったのに4月クールは何もない。さびしい...唯一、見つけたのがこれ。
     
ヒットの泉−ニッポンの夢ヂカラ!」日テレを退社した西尾アナが初めて持った冠番組
     
これは見ないといかんだろう。テレビ朝日で日曜の朝9時30分から10時までだ。毎回、ヒット商品を取り上げて、それを生産をしている会社を訪ね、開発者の苦労話や製品を作っているところを紹介する番組だ。てっきり西尾アナが現地に行くのかと思ったら違った。どうせヒマなんだから行けばいいのに。
最近はコンビニのパスタがおいしいらしい。食べたことがないので知らなかったが。中でも評判の良いローソンを取り上げる。実は作っているのはローソンではなくてここ。
     
この番組、表の顔はヒット商品だが、裏の顔は元気な中小企業の紹介なのだ。日本の工業生産の強さは中小企業の層の厚さだ。大企業の下請けのイメージが強いが、みずから数々のイノベーションを起こしている会社も少なくない。もちろん、下請けの会社にしても、この部品を作れるのは世界でここだけという会社も多い。去年の震災で生産がストップしたために、世界中の供給先がその会社の操業を再開させるために手伝いに来たのは記憶に新しい。
さて、ローソンにパスタやそばなの麺類を納めているこの会社、本部から「もちもち感があるパスタを作るように」と厳命が下った。学生諸君、もちもち感のあるパスタを命令する会社と、それを開発する会社、君はどちらを選ぶ。もちろん命令する方が楽だが、どうせこの世に生を受けたのなら開発する会社で働いてみないか。そう考えれば就職先などまだまだたくさんあるぞ。この会社は何度も試行錯誤をして、タピオカの粉末を入れることを思いついた。いいよいいよ、私もこの会社で働いてみたい。「主任! ラーメンのもちもち感を出すためにタピオカの粉を入れることがあるそうです」「なに! おい、そこでタピオカティーを飲んでいる小沢さん。底に沈んでいるタピオカをこの中に入れてみて」というドラマがあったのかもしれん*1。小麦粉から麺を作り茹でるところまでは工場で自動運転。茹であがった麺に塩とオリーブオイルを混ぜてかき回す。
     
この工程は機械でやると麺が切れてしまうので手作業だそうだ。あ、この仕事つらいな。1日中、麺をかき回すのか。2、3日だけなら楽しそうだが、ずっとはつらいな。茹であがりの麺はおいしそうだが、食べると固い。消費者が食べるのは茹であがった1日後なので、そこでちょうど良い固さになるように工夫をしているそうだ。だからつまみ食いはできない。つづいてパスタの種類ごとに具やソースを混ぜて器に入れる。
     
これも手作業。この仕事もつらいな。種類が多くて入れ替わりが激しいので機械化が難しいそうだ。これ以外にもトマトソースの開発秘話とか、昔は上に乗っていた透明なセロハンがいまは無い理由などが紹介された。
翌週の放送はこれ。洗って何度でも使えるラップ。
     
53枚の大ヒットだそうだ。これを作っている会社が墨田区のここ。
     
ちっちゃ。こういった素材製品はもっと大きな会社でないと作れないと思ってたよ。中はこんな感じ。
     
ほんとの町工場だな。この製品のツボはシリコンに混ぜる酸素の量だそうだ。器にかぶせるときに伸ばして器のへりに貼り付ける。酸素が多すぎると固くなって張り付かない。少なすぎると伸ばしたときに切れてしまう。これを数ヶ月の試行錯誤を経て開発したのがこのふたり。
     
じじいだ。じじいだよ*2。この会社はどこかの下請けではなく、この会社の製品として発売し、53万枚の大ヒットとなった。すごいぞ、じじい*3
この番組、製品のすごさと、それを作っている会社のちっこさの落差がおもしろい。それにしても...西尾アナの出番が少なすぎるぞ。取材に行ってよ

*1:タピオカ粉だって言ってるだろう

*2:失礼だぞ

*3:だから失礼だと