検証・これが実写版の台本だ!−act35(その6)

さて、愛野美奈子の車に月野うさぎが乗った後の台本を見てみよう。うさぎがうさぎっぽい名シーンである。

     【シーン24】走る車の中

     後部座席にいる美奈子と興奮のうさぎ。

     うさぎ「うそみたい。美奈子ちゃんから声かけてくれるなんて。

         これで話すの三度目だし」

     美奈子「引っ張り込んじゃってごめんね。気づかれそうだったから」

     うさぎ「全然全然!美奈子ちゃんの車に乗れるなんて、

         もう・・・あー、ちょっと落ち着かないと」

     窓に張りついて深呼吸する。美奈子の傍らにオルゴールがある。

     ゾイサイトの声(中略)

     うさぎは車の中を珍しげに見回している。

     美奈子「・・・うさぎちゃん、お昼、付き合ってもらえる?」

まず、「これで話すの三度目だし」は小林靖子の勘違いだ。放送では「四度目」に修正されている。過去にact11、act12、act30で話しているので、今回で四度目だ。だが脚本家の頭の中ではact11とact12は一つの出来事としてつながっているのかもしれない。また、うさぎが窓に頭をぶつけるシーン、座席をいじって後に倒れるシーンは台本にない。どちらも鈴村監督が入れたギャクのようだ。こうして見るとact35はカットされたシーンは少ないのに、台本に無いシーンが多い回と言える。同じく鈴村監督のact16、山本彦右衛門君も台本にはいない人物なのだろうか。
(つづく)