進化する戦闘シーン(前編)

最初のころはつらかったです。なにがって戦闘シーン。両手をひろげてクルクル回ってるんだもん。あとからビデオで見直すときは戦闘シーンになると早送りしてました。でもキャストやスタッフを責めるつもりは毛頭無い。なにしろ実写版セーラームーン

   ・変身後も顔出し

   ・演ずるのはアクションと対極にいるファッション誌のモデルさん

という難題をスタッフに突きつけたドラマだったからだ。スタッフの間でどのような反省と検討が行なわれていたかは私が知る立場にはいないが、一視聴者として想像することを書いてみる。

●氷河期 act1〜4
「この番組はかわいい女の子が演じる美少女ものだよ。だからアクションも優雅なクラシックバレー風でなきゃ」と独自のアクションを追求する。結果はみなさんが知っているとおり。
●黎明期 act7〜22
バレー風が無理なことに気づき、通常の戦隊物やライダー風のアクションに軌道修正を図る。試行錯誤を繰り返す内に、

   ・モデルさんたちは簡単なアクションでも長い時間は無理

   ・セーラーコスのスタントを遠景で撮るとスタイルの違いでバレバレ

   ・個人戦はなんとかなるが団体戦はグタグタになる

など克服すべき課題が持ち上がる。なお、個人戦についてはact7(納豆)冒頭のムーンですでに十分見られる水準になっている。同じくact15(宝石泥棒)もそうだ。これは中学時代にバスケット部キャプテンであった沢井美優の運動能力の高さに寄るところも大きいのだろう。

(つづく)