東映特撮番組の特徴、それは
第1話は金がかかっている
だ。まさに「つかみ」が大切だ。実写版セーラームーンもこの例に漏れず、第1話はゲストに渡辺典子*1、CG妖魔、CGルナと制作費がふんだんに使われている。もちろん、この時点でその事実はわからないのである。渡辺典子が二度と出なくなって、妖魔がしょぼい着ぐるみになって、ルナが歩かなくなって、ロケがそこらへんの体育館になって初めて「第1話は金かけてたな」と遠い目で思うのである。
第2話もかなり制作費がかかっている。はにわ妖魔がセーラームーンのブーメランで亜美を道連れにして回廊から下に落ちて砕ける。そこに狛犬妖魔が現われ粉々に砕けたはにわ妖魔を目から光線を発射して復元するシーンがある。このシーンをよく見ると背景の噴水や建物の壁はCGになっている。はにわが復元すると背景がシームレスにCGから実写につながるわけだ。このあたりはかなり手間がかかっている。まるで特撮番組のようだ*2。
さて、この回は亜美をめぐる中学生日記テイストの切ない物語が、妖魔の出現で一転して緊迫感のあるアクションへと展開する。まさに巨匠・田崎監督の実力を見せつけられた回であった。ベスト3を選ぶとしたら誰でも必ず入れるであろう名作回なので名シーンを上げたらきりがない。私はあえてこのシーンを選んだ。