真夏のビデオまつり「12人の優しい日本人」「標的 羊たちの哀しみ」

初夏じゃないんかい! なんでいきなり真夏になるんだよ。

12人の優しい日本人
【1,900円】三谷幸喜の脚本による1991年の作品。古典の名作「十二人の怒れる男」のパロディ。近未来か異世界か、陪審員制度がある日本。こちらは11人が無罪にしたのに1人だけ有罪を主張する男がいる。事件を何度も検証するとだんだん有罪派が増えていく...12人全員がクセが強すぎて誰も好きになれないのがミソ。豊川悦司がまったく存在感のない役で出ていて、この当時の彼のステータスってこの程度だったのかと思ったら最後にぶっ込む役だった。それを機にどんでん返しが起こる脚本が見事。

バイオレーター
【800円】ひさしぶりにC級映画を見てしまったよ。森の中にある一軒家に集まり集団自殺をしようとする若者たち。そこに妹を連れ戻しに来た姉が現れる。なんだか気持ちが冷めてしまい今日は中止にしようとなったが、そこに村人が現れ「それなら俺たちに殺させろ!」...終盤で意外な事実が明らかになり物語の様相が変わる。だがいいのか? 「◯◯は人間に物理的な攻撃を加えることができる」って過去のホラー映画ではタブーになっている設定じゃないのか。

クロハ~機捜の女性捜査官~
【1,700円】地上波で放送されたスペシャルドラマみたいだ。原作があるのだろう、ミステリーとしてよくできていたストーリーだった。動機をはじめ犯人の行動原理にちょっと無理があるものの最後まで楽しめる。

標的 羊たちの哀しみ
【1,700円】若松孝二監督による1996年の作品。佐野史郎演じる主人公はただのサラリーマンで、連絡が取れなくなった社員を探すだけの業務命令だったが、そこには巨大な陰謀が隠されていた...突っ込みどころ満載で、なぜ主人公は格闘に長けていて拳銃も使えるのかとか、ミサイルの設計図がフロッピーディスクに収まるのかとか、そのデータをパソコンも持ってない主人公が出張先からどうやって転送できたのかとか。いいのだ、このとき30才の大沢逸美がすごくきれいだったので許す。U-NEXTで見たが、本作はDVDさえ発売されてないんだな。