特撮番組みたいに最後の2話は前後編かと思ったら違った。ミネルヴァ不動産のサブリース契約のために窮地に陥ったアパートのオーナーたちを永瀬(山下智久)はじめ登坂不動産が救う話だった。同時に神木(ディーン・フジオカ)の過去が明らかになる。妻と子を交通事故で失い、「一番になる」という子どもとの約束を果たせているときだけ、妻と子の幻影が現れ話をすることができる。そのためにはどんな手を使ってでも一番にならなければならない。
家族思いで真面目な神木プリミティブ。
永瀬に責められ珍しく逡巡するグレー神木。表情や口調の使い分けが見事。しかし、永瀬対神木、永瀬の連戦連勝だが物語的にこれでいいのか。たまにはぐうの音も出ないほどの負けがあった方が盛り上がったと思う。最終回がミネルヴァ不動産の総攻撃みたいだ。登坂不動産が年月と費用をかけて宅地開発をした土地をミネルヴァ不動産が横取りするか邪魔をする話みたい。
その土地を不安そうに見る桐山(市原隼人)。
仮想通貨で大損をして凹んでいるところを神木に声をかけられる十影(板垣瑞生)。
せっかく永瀬との距離が縮まり結婚へのカウントダウンが始まったのにニューヨークに転勤になった榎本(泉里香)。シリアスな展開のはずなのに、泉里香のファン全員はニューヨーク転勤と聞いて腹を抱えて笑ってしまうのが残念だ。
妻と子の幻影に話しかける神木。
それを見てドン引きの花澤(倉科カナ)。
浮かれる永瀬。かなりてんこ盛りの内容だったにもかかわらず最終回への伏線が張られた9話であった。
「甘いな永瀬は。教えただろ、ライバルはどんな手を使ってでも蹴落とせと。
だから一位になれないんだよ」
「私はもう一位にこだわってません。それよりももっと大切なことを見つけたんです」
「それはなんだ?」
「・・・・・」
「それは何なんだ?」
「・・・・・ご自分で考えてください」
教えてよ! 今期は見ているドラマがこれだけってのもあるかもしれないが、ここまで9話が本当に早かった。シーズン2になってマンネリになるどころが、むしろクオリティが上がって、これなら余裕でシーズン3も作れそうじゃないか。