豊臣家のラスボスである茶々(北川景子)と
徳川家の秘密兵器である阿茶(松本若菜)
の直接対決。阿茶は女性ながら戦場にも行く武士なので袴をはいて脇差しを差している。ただ着物は男性より派手なので絵本で見た桃太郎の装いだ。阿茶は「秀頼様はこの戦にお関わりにならぬがよろしいかと。徳川の調略は深くまで進んでおりそろそろ勝負は決する頃合いかと」。秀頼の初陣、そのための毛利の参戦をいまかいまかと待っている茶々はこれで堪忍袋が50%。さらに「秀頼様をお守りいたしますので徳川にお預けください」。これは私でもキレる。この提案の目的はなんなのだろう。徳川側は、秀頼が手元にいれば豊臣側が徳川を攻撃する理由がなくなる。北政所は、徳川と豊臣の争いに孫の秀頼が巻き込まれないようにするには徳川にいた方が安全と思ったのか。さらに阿茶と北政所がともに「茶々はガチでヤベー奴。秀頼を茶々から離すのがよろし」という思いもあったかもしれない。秀頼と茶々を引き離すことができていたら大坂夏の陣で秀頼は死なず、豊臣家は一地方大名として明治まで存続したかもしれないからね。あと、この時代は携帯電話がないから阿茶は家康に相談できない。独断で自分がザ・徳川として茶々と交渉に行ったわけだ。ここはフィクションかもしれないが、大坂冬の陣の停戦交渉に阿茶が徳川を代表して臨んだのは史実。さて、一つ目の提案で堪忍袋が50%まで充填されていた茶々、秀頼をよこせで堪忍袋は一気に200%まで行く。
「それは...過ぎたる物言いじゃ...
身の程をわきまえよ!」
(反射的に豊臣側の武士が刀を抜いて立ち上がる。応戦の構えをする茶々のSP)
(まったく動じない阿茶。この時点で阿茶の勝ち)
「なかなかはったりがうまいようじゃ。秀頼の身を案じてくれて礼を言うぞ」
「誠に不愉快なおなごよ。二度とお見えにならぬがよろしい。
帰り道には気を付けよ」
「ありがとうございます」
ラスボスと秘密兵器の対決、何にも動じず冷静さを失わない阿茶の勝ち。それは茶々もわかっている。阿茶が退出したあとで
「ん...うわあああ」
この放送が写真集のお渡し会のあとで良かったね。逆だったらおしっこ漏らす人が続出したと思う。ただ茶々の前では終始冷静だった阿茶もほぼ限界だったようだ。自分の部屋に戻ってくるなり座り込んで
「あ~~~おっかないおなごだわ~~~はぁ~~~」
10万の兵が激突した関ヶ原の戦いだがわずか6時間で徳川の圧勝。大阪城にも敗戦の知らせが届く。茶々の前で知らせを読む毛利輝元。狙い通り、兵を失わなくて済んだが茶々の手前、喜ぶわけにも行かず出陣しなかった言い訳、「かように早く決着が付くはずがない。三成じゃ、奴がしくじりおったのじゃ」と誤魔化す。だが茶々にはお見通しだ。
(笑顔で毛利輝元の前に歩み出る)
(大きく振りかぶって突然のビンタ。しかも裏拳。これは痛い)
「そなたを頼った私の過ちよ...去れ!」
裏拳のビンタは指の関節が当たるからきっと痛い。だが兵を失わず家も存続するので安いもの。北川景子みたいな人にビンタされるならむしろご褒美。今回の北川景子の演技は各方面で絶賛されているようだ。
「淀殿ブチ切れ 北川景子もはや別人の怪演すごすぎ 鬼形相で毛利を殴る」。北川景子ウォッチャーにとって茶々はセーラーマーズや三軒家万智の延長線上にあるので「おお、やってる、やってる」だが、それを知らない人は驚いただろうな。残り5話。ここからは家康と茶々の戦いになるぞ。