夏のビデオまつり「夢みるように眠りたい」「マウス・オブ・マッドネス」

「酷暑のビデオまつり」から「真夏のビデオまつり」になって、とうとう「夏のビデオまつり」になった。でも明後日から10月なんですけどー

夢みるように眠りたい
【1,500円】80年代に16mmフィルムで作られた映画を、クラウドファンディングで資金を集め2Kのデジタルリマスターで2020年にリリースされたもの。舞台は昭和30年代の浅草、佐野史郎演じる私立探偵が誘拐された大富豪の令嬢を取り戻すべく活躍する...少しでも「いつか見てみようかな」という気持ちがある人はWikiを見ないように。たった5行の中でネタバレ。一見、幻想物か不条理物かと思って見ているとラストですべてが合理的に解決するのが見事。

マウス・オブ・マッドネス
【1,200円】「ハロウィン」や「遊星からの物体X」で有名なジョン・カーペンター監督の代表作と紹介されていた。ならば見てみないと。新作の原稿を半分だけ書いて失踪したベストセラー作家。彼を探す依頼を受けたエージェントは女性編集者と一緒に旅に出る。原稿の舞台になっている架空の町が、実際にあるのではないかと車を走らせると、その町があった。そこで原稿のとおりの出来事が起こる...「夢みるように眠りたい」とは逆にミステリー物の展開から最後は不条理物。これ、私の嫌いなパターン。やはりこの監督の代表作は「遊星からの物体X」だと思う。

悪魔が来りて笛を吹く
【800円】そういえば横溝正史でこの作品は見たことなかったよなあとNHKオンデマンドで視聴。市川崑監督で映画化された作品に比べるとビジュアル的な見せ場がないから映画化されなかったんだな。あとは真相がエグい。これは関係者がたまらん。NHK版「犬神家の一族」でも書いたが、金田一耕助って本当に役立たずな探偵なんだよね。その役立たずさを感じさせなかった石坂浩二古谷一行はお見事。

パリピ孔明
【?】今週から始まった実写版。まだ1話しか見てないがアニメの実写化*1としては凄いハイクオリティ。主要人物が3人いて、孔明、主人公の歌手をめざす英子、ラウンジのオーナー。この3人を演じる上白石妹、向井理森山未來の再現度がすごい。ここに「なんちゃって俳優」を使わなかったのが立派。あと向井理の話し方がアニメの孔明と同じで、参考にしたのか誰が考えてもこうなるのか。さらにアニメでは英子が歌うときは声優ではなく歌手が代わったが実写ではそういうわけにはいかない。上白石妹はこんなに上手だったのか。アニメは25分、実写は45分だが、長くなった分がアニメでは説明しきれなかった点に当てているのも良い。あとはアニメは中盤でダレるエピソードがあったが、そこをどう処理するかだな。「最高の教師」が終わっちゃったけど、代わりが見つかって良かった。

*1:実際はセーラームーンと同じでその前の原作がある