孤独のグルメ Season10 完食

昨年に放送されたシーズン10と大晦日スペシャルを見終わった。

   

   

晦日スペシャルはシーズン10の最終話につながっているので、シーズン最終話の最後のセリフ「明日は浅草だ。なにを食おうかな」は無し。なにしろ築地から小樽まで巨大なカニのオブジェを車に積んで運ぶことになっちゃったから。ちなみにサブタイトルの「カニの使いはあらたいへん」は「ガキの使いじゃあらへんで」に引っかけてあるのな。ドラマの半分以上を占める五郎さんのモノローグ、声のトーンが変化している。シーズン1から4は低い声でゆっくりとしゃべるハードボイルド風。シーズン5から9はトーンが少し上がりテンポも少し速くなったナレーション風。これがいちばん聞きやすい。シーズン10はさらに声が高くなりテンポも上がり、ほとんど陽気なおじさん風。年令にさからっているようである。

全部で100話以上を見て私の長年の疑問が氷解した点がいくつかある。もちろん五郎さんの食べ方が模範解答とは限らないだろう。あくまでも回答例の一つだが、それでも私は勇気づけられた。

【ワサビは刺身にのせるのか、醤油に混ぜるのか】
刺身を食べるとき、ワサビを醤油に混ぜるのではなく刺身にのせるのが通なのは知ってる。美味しんぼにも書いてあったし、そういう食べ方をする人も見ている。だけど面倒くさい。とくに私は刺身がそれほど好きではないので、早く刺身をやっつけてほかの料理に行きたい。テレビ番組で櫻井翔がざる蕎麦を食べるとき、ワサビを蕎麦にのせて食ってたが、あんなの私には絶対に無理。刺身とは逆に蕎麦は好物なのでワシワシと食いたい。もしワサビをつゆに混ぜてはいかんと言われるなら、私はかけそばかカツ丼を頼む。五郎さんの食べ方を見ると、ワサビは醤油に混ぜているし、ざるそばのつゆにも混ぜている。もともと五郎さんのポリシーが「グルメがなんだ、美食がどうした、俺はこういうのでいいんだよ」だからね。これからも私はワサビを混ぜちゃう。そもそも「うちのワサビは高級品を丁寧におろしているので醤油に混ぜないでください」という店には行かないし。

【アジフライは醤油かソースか】
これも悩む。フライだからソースのようにも思うし、中身は魚だから醤油でも合うようにも思う。松本明子が女将の店で、「いままで食べたアジフライはなんだったんだ」という極上のアジフライを食べた回。五郎さんは最初の一口は醤油、つぎにソースで食べてみて、そのつぎはタルタルソース。タルタルソースがいちばん美味しかったので残りをタルタルソースで食べていた。そうだよな。なにも一つに決める必要はないんだ。いろいろ試してみればいいんだ。トンカツ屋でもソースと塩を交互に食べていた。

【目玉焼きはどうやって食べるのか】
ベーシックな料理のわりに正しい食べ方がわからない。黄身を無駄なく食べるにはどうするかが私の疑問だった。割ってしまうとドロッと流れるでしょ。それを白身ですくって食べるにしても絶対にすくいきれない。私は黄身を割らないようにして白身をぜんぶ食べる。最後に残った黄身を一口で食べる。無駄はいっさい無いが、この食べ方ならゆで卵や温泉卵を食べた方がいいよね。グリル料理の食べ方としてどうなのよ。五郎さんの食べ方は先に白身を半分くらい食べて、全体の直径を小さくする。つぎに黄身に割れ目をつけて中に醤油を投入。それをご飯に乗せる。なるほど、これも黄身に無駄がない。もともと五郎さんは「食事の中心はご飯(米)。おかずはご飯をおいしく食べるためにある」という方針だから、これがベストアンサーか。注意しないといけないのが、目玉焼きの隣にサラダがあって、そこにかかったドレッシングが目玉焼きの方まで浸食している。私にとってご飯とドレッシングは塩素系洗剤と酸性洗剤くらいに混ぜるな危険。このときはドレッシングに汚染された部分の白身を先に食べてからご飯に乗せればいいのだな。

この3つが判明したのは私にはかなりの進歩、福音。結論は「自分が好きなように食べればいい」なんだけど、それでも参考になった。ありがとう、五郎さん!