ここイイなあと思ったシーン。司法試験に落ちてしまった照井に
「どうしても諦めたくなかった...合格したかった」
「そうだね。悔しいね」
さらに真中は妹が超有名コンサルタントに入社したのに仕事を干されていて辞めたいと言っている。そこから
「やりがいなんて必要ない(と思ってたのに)
妹を見てたらこれじゃだめなのかなって」
「私もまだやりたいことが見つかってないから、ときどき不安で」
「そっかあ。やりたいことを見つけるのって難しいよね」
柊先生は同情も激励もアドバイスもしない。じつはこれってすごく重要で、「死にたい」と言ってる人に何と答えるか。精神科医やカウンセラーのベストアンサーは「死にたいとあなたは思っているのですね」だそうだ。「あなたがそう思っていることを、私はわかった」と伝えることが大事なんだと。今回の実習は真中の妹を題材にして仕事を与えないことはパワハラになるか。いつものように議論をする学生たちだが、話は労働することの意味、仕事のやりがいに移っていく。
憲法には「労働の義務」の前に「労働の権利」が謳われている。働くことはときに収入以上のものをもたらしてくれる。だから働く権利が保障されている。この実習は真中へのアドバイスだけでなく、働くのは報酬を得るためだけですと言い切る藍井先生へのメッセージにもなっている。私だけでなく、
藍井先生も目から鱗が落ちまくりだ。今回は予備校から破格の条件で誘いを受けている藍井先生を柊が引き留めるというテーマもあった。司法試験に落ちて学校に来ることさえいやになってしまった照井に対して
「できることは何もないんですよ(中略)
ついてこられない人間は切り捨てるしかない。それが彼女の人生です」
と言った藍井先生だが、柊先生が企画したゲームで学校まで連れてくるのに成功する。
「くだらないゲームではありますが照井は戻ってきた。
私には到底できない」
自分にできないことを、あなたはできた。この人は意外に素直。最後に予備校に断わりに行く。驚く向こうの校長が理由を聞くと
「変な同僚がいるんですよ。
彼女の言うことはいつも私と真逆であり予測がつかず...飽きずに済む」
柊先生より自分のがはるかに優れてはいるが、それでも自分にはない知見とか発想がある。それが興味深いという程度か、参考にして取り込みたいということか、学園の役に立つということかはわからないが、藍井先生が部分的にでも柊先生を認めた第8話であった。TVerにこの番組の番宣として北川景子と宮根の対談がアップされていた。ここまで書いて疲れちゃったので、それはまた今度。