戻らない、戻れない

日経クロステックの記事なのでリンクを貼っても有料会員以外は見られないと思う。

LIXILとグループ会社の一部は、東京・江東のWINGビルから東京・品川の住友不動産大崎ガーデンタワーへ本社を移転する。コロナ禍でテレワークが浸透したことが理由だ。移転によって本社面積を9割減らし、運用費の削減や資本効率の向上を図る。2021年12月6日に発表した。
(中略)
移転先の住友不動産大崎ガーデンタワーでは、2フロアで計約6600m2を借りる。WINGビルの延べ面積の約11%だ。オフィス面積を約9割減らすという大胆な見直しを決めた背景には、出社率の低下がある。
WINGビルを職場とする従業員はグループ会社を含めて約8000人いるが、21年11月時点で出社率は10~15%程度だった。LIXILは「コロナ禍で従業員は在宅勤務が基本となり、それぞれのライフスタイルに合わせた自律的な働き方へ転換した。元の働き方に戻ることはない」

コロナ禍前の勤務形態である全日出社に戻している会社がある一方、こういう会社もあるんだな。この記事によると社員数が多い企業ほどオフィスを縮小したいとのこと。

   
     (ザイマックス不動産総合研究所)

このグラフだけ見て「零細企業は遅れている」と判断してはいけない。従業員が1,000人以上の会社で出社率が10%だったとしても出社しないと仕事ができない人は一定数いる。従業員が1,000人の会社は100人の会社に比べて出社しなくても仕事ができる人が900人いる可能性もある。たとえば外回りの営業マンは営業所に自分の机がある必要はないが在宅勤務をしているわけではない。

この在宅勤務は、経営層にとってはオフィスを縮小して経費を減らしたいという目的にかなうものである。従業員の中にも出社したくない者がいる。「仕事はちゃんとします。成果も人並み以上に上げてます。メッセンジャーやZoomで社内のコミュニケーションは取れています。だから出社したくありません。通勤にかかる時間と体力が人生の無駄です」という意見。これはそのとおり。私もそうだった。だが最近、面白い記事を読んだ。出典を忘れてしまったので書けないのだが、もし在宅勤務が100%、出社するのは年に1回か2回で良いとなったら従業員が日本人である必要がない。マネージャーやリーダーが英語で指示を与えて英語で報告を受けるなら、開発とテストは日本人がやる必要はまったく無い。出社したくないと言ってる社員は、そいつの仕事をフィリピンやアイルランドにいる社員に任せてクビにすればいいのである。そう考えると会社にとっての自分のセールスポイントは週に1、2回は出社できることにある。いまのところ円安なのでわざわざ日本企業で働きたいと思う人は少ないかもしれないが、けっこう簡単にこういう世の中に切り替わるのだよね。なので出社したくないと言ってる君は、全世界が競争相手になるので自己研鑽を怠らずにがんばりたまえ。そういう時代になる前にリタイアできて良かったなあ。