梅雨のビデオまつり「スマイル」「さかなのこ」

だんだん湿度が上がってきた。いよいよ夏、我慢の季節だね。

セナのまわり道
【1,600円】タクシー運転手だった父親は事故で大怪我をしたが、直ってからも仕事に戻らず酒とギャンブル。母親は家を出て行き、主人公は父親が心配で一緒に暮らすが父親の借金を返すためにタクシー運転手になる...1時間に満たない中編だが乗客のエピソードで連作短編集のような作りにできるため、1時間半や2時間でも飽きずに見られたと思う。この作品、クラウドファンディングで資金を調達し、じつは私も参加した。ところが東京と、映画の舞台である広島で出資者向けの試写会が1回ずつ開催されただけで劇場公開もされなかった。試写会に行けなかった私はなんのために出資したのかと。映画を完成させるためだろ、見返りなんてどうでもいいんだよ(涙目)。今月になって配信が始まりやっと見られた。

   
エンドロールで名前が出たよ。本名だから探してもわからないよ。主役をはじめ初めて見る人ばかりで唯一知っているのが主人公のお母さん役。弱気くんのお母さんだったよ。

ウルトラマンサーガ
【1,000円】先日、記事にしたDAIGOのツイートにあった「ウルトラマンサーガ」。私はこの作品と、「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」を完全に混同していて、ウルトラマンゼロはDAIGOだったっけ?とずっと思ってた。銀河帝国の方が見たことがあって少女の土屋太鳳と、ガキンチョの濱田龍臣が出ている。こっちの映画でのウルトラマンゼロはいま調べたらなんと不動さんだったよ。サーガのポスターで下の方に並んでいるのはAKBな。それも2軍。唯一知っているのは秋元才加で、この人はオーラーがある人だね。2012年、いまから10年以上前の作品だが、ウルトラマンはこのときすでに、いまハリウッドのヒーロー物で流行のマルチバースの概念を取り入れているんだよね。

レッドコード(字幕版)

レッドコード(字幕版)

  • サラ・ベッカ・マザー
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レッドコード
【1,000円】スロベニア産のミステリー。ちょっと心を病んでいる女刑事がサイコキラーを追う。内臓の一部が抜かれていたり、壁には謎の数字、床には魔方陣みたいなのが書かれている。そのうち主人公に幻覚や奇妙な出来事が起こるようになるが、もともとメンタルが不調なので、この映画はあくまでもミステリーだよなと思って見続けたのに、終盤になってこれはオカルト映画かよ。

天使の耳~交通警察の夜
【1,500円】前後編それぞれ90分のドラマ。小芝風花安田顕は県警の交通課の中で交通事故の調査をする係。3つのエピソードから構成される連作短編集で、泉里香は2番目の被害者。でも泉里香が出るんだからただの被害者ではないなと思ったら、やっぱりただの被害者ではなかった。東野圭吾の原作だけあって、それぞれに捻りの利いたストーリー。連作短編集ってだいたい最終話は主人公に関係する話だが、これはちょっとぶっ飛び過ぎだ。

スマイル

スマイル

  • Sosie Bacon
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スマイル
【1,700円】これはいかん、これは怖いよ。ブラムハウスやA24が作る映画は面白いけど怖くはない。この作品は怖い、すごく怖い。でも幽霊も怪物も出てこない。この作品の怖さって「CURE」と同じ種類で、怪異の正体がわからない、伝染する、対抗手段がない。「イット・フォローズ」に似ている設定だが、あちらは誰にでも見えるので主人公は仲間の助けを借りてやっつける。だがこの作品は自分にしか見えないので助けを呼べない。ただ、ラストがあれでは何のために頑張ってきたのかと。それで200円マイナス。

さかなのこ
【1,500円】のんちゃんは学ランを着ているだけで、髪も長いし無理に男性っぽく振る舞おうとしていない。そこは見る人が脳内で変換する必要がある。ヤンキーのリーダーと仲良くなる。そのまま付き合っちゃえばいいのに→違う、主人公は男だ。両親が離婚して弟は父と、主人公は母と暮らす。男組と女組に分かれたのね→違う、主人公は男だ。一人暮らしを始めバイト暮らし。その部屋に幼なじみの女性が子どもとやってきて行くところがないので置いて欲しいと。主人公は快諾して、部屋にほかの人がいるのが楽しい→違う、主人公は男だ。全編を見終わると、ではこの主人公を男優がやるとして、イタくならないで演じられるのは誰だと問うとなかなか思いつかない。映像の時間が残り15分になっても主人公はまださかなクンにならない。この映画はどうやって決着するのだと心配していたらラスト10分でさかなクンになった。