春のビデオまつり「ライトハウス」「人数の町」

春っつうかもう梅雨だよね。「五月晴れはどこ行った」と書こうと思ったら五月晴れの意味が心配になり調べたら、やはり「梅雨の合間の晴れ」みたい。「小春日和」が春ではなく冬なのと同じな。ただし誤用が定着して「五月のすがすがしい晴天」でも良いみたい。こうやって誤用が定着すると、もうどっちの意味にも使えなくなるよな。

黒人魚 クロニンギョ(吹替版)

黒人魚 クロニンギョ(吹替版)

  • ヴィクトリア・アガラコヴァ
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黒人魚 クロニンギョ
【1,600円】ロシア産のホラー映画。ただこの映画の「人魚」はアンデルセン童話の人魚とはまったく違う。本作品だけの設定か、ロシアでの人魚伝説がヨーロッパとまったく違うのかはお子さんの自由研究の課題にどうぞ。この映画の人魚は「湖から出てくる女性の幽霊」だな。よって下半身は魚ではない。人魚に魅入られた男性は、彼が愛する女性を人魚に呪い殺されるという女性にとっては迷惑な話。婚約者が人魚の呪いにかかってしまった主人公の女性が呪いを解くために奔走する。この展開は「リング」に似ている。やっと解いたと思ったらこれじゃなかったというのも同じ。主人公がかわいいので1,600円。

ライトハウス
【1,700円】上映館が少なくて観に行けなかった作品。アカデミー賞の撮影賞にノミネートされた作品。全編モノクロでずっと薄暗い。画面のサイズが

   

ほぼ正方形! いま計算したら4:3だった。ちょっと前までこのサイズでテレビやPCを見ていたんだね。これは逆に映画館で見たかった。でも劇場から出るとき「ドヨ~ン」とした気持ちのまま家まで帰ることになったのでプライムビデオでちょうど良いのか。孤島の灯台に赴任した主人公。そこに待っていたのはパワハラ野郎のジジイ。さんざんこき使われいじめられるが任期の4週間を耐える。だが嵐で迎えの船が来ない。この主人公もジジイ以上にキレるとやべえ奴だったという話。

世界の終わり

世界の終わり

  • Joachim Aeschlimann
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世界の終わり
【250円】スイスの映画。ある日、スイス全体がかってないほどの厚い雲に覆われる。気象学者も政府も国民もパニックになる...世界の終わりではなくてスイスの終わりじゃないか。しかも台風と地震が日常茶飯事の日本から見ると、まだなにも起こってないんだから落ち着けよ!

キラー・インフェルノ
【1,000円】新婚旅行のドライブをする若い夫婦(ポスター下段)が車の故障でポツンと一軒家に助けを求める。だがそこの主人(ポスター左上)の様子がおかしい。さらに若夫婦も訳ありだった...ネタバレにならないようにあらすじを書くとここまでだが、ビデオのあらすじはもっと書いてあって30分後に来るサプライズを台無しにしやがって。犯人をただの殺人鬼のままにすれば良いのに、そこに意味を求めようとして表現しきれないので終盤が弱くなっていると思う。

人数の町
【1,200円】映画館で予告編は見たけど、こういう話とは思わなかった。借金取りにボコボコにされているところを助けられた主人公、奇妙な施設に連れて行かれる。部屋と食事が提供され、そこそこの娯楽や住民同士の交流、男女の交際というか夜這いもできる。この施設の目的、住民の役割が少しずつ明らかになったとき映画のタイトルの意味もわかる...と、ここまでの前半は面白いのだが終盤がありきたり。こういう施設があったとしたらどういう出来事が起こりえるかという想像力が足りないように思う。

幻肢

幻肢

  • 吉木遼
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幻肢
【1,200円】島田荘司原作。幻肢とは手や足を失った人が、まるでそこにあるかのように痛みや刺激を感じることらしい。これが身体の一部分ではなく、自分が失った大切な人をまだそこにいるかのように見て、話すことができるのがこの映画のテーマ。先の展開もオチも想像がついてしまい、実際にそのように話が進む。だがそれは作者が仕掛けた罠でラストでどんでん返しが待っているのはさすが島田荘司。残念ながら映像作品としての盛り上げ方が下手というか淡々とラストまで行ってしまう。あと種明かし部分で、あの人が話すことは主人公の潜在的な意識のわけだから、真相を知らない主人公があの人の口からあのセリフを言えるはずがないのだが。