真冬のビデオまつり「神々の山嶺」「インサイド・マン」

熱もあったので短めの作品を選んで見たらB級ばかりだったぜい。

ザ・ディープ・ハウス
【1,200円】廃墟や心霊スポットを探検するYouTuberの男女2人組。湖底に眠る家があるという噂を聞きつけ場所を知っている人を探し出し湖に潜る。不気味な雰囲気で撮影は快調だったが、ここはヤバい場所だった...暗い、視界が狭い、酸素というタイムリミットがある、この設定はアイデア賞。だが怪異が正体を現わすと怪物映画になってしまうのが残念。

イカ-Laika-
【300円】舞台はロシア。同じ部屋に住むロシア人の女性と日本人の女性は恋人同士。それほどエロい展開もなく、新しい世界に出ようとするロシア人と束縛しようとする日本人のプチドロドロ愛憎劇。

Q&A
【800円】青年の惨殺死体が発見されるが、なぜか安らかな死に顔だった。事件を追う刑事が竹中直人。主人公(殺された青年)は、少年時代から他人の心も痛みもわからないと人生を斜に構えているが、もっと変な奴が現われると途端に陳腐な人間に見えてしまうのが実に小気味よい。ラストで大仕掛けのサプライズがあるが、伏線とかそこへの疑問とかが事前にまったく無いので「ああそうですか」としか思えないのが残念。

神々の山嶺
【1,500円】夢枕獏の原作を故谷口ジローがマンガ化。そこまでは知ってた。それがフランスでアニメ化されていた。それだけで胸熱だが、フランスで上映されて大ヒット。Netflixが配信権を手に入れたが、そのまえに日本で昨年に劇場公開されたらしい。アニメはかなりのクオリティ。過去に見た山岳映画に比べて余分な情報をそぎ落とすアニメという表現手段により、かえって迫力が伝わってくる。残念なのが尺が1時間半。製作に7年がかかったらしいが、たぶん夢枕獏の原作も谷口ジローのマンガももっと深いはず。2時間の長編にするのは難しかったのだろうな。

シャドー
【1,000円】「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督による40年前の作品。U-NEXTで配信されていた。殺され方がエグいのはあいかわらずだが、ホラー要素はないミステリー映画。ただし関係者が殺されすぎて唯一残っているのは犯人というパターン。

平山夢明の眼球遊園
【1,000円】これもU-NEXTのみ。1本1時間の映画がシリーズで3作。どれもお化けは出てこない、怖いのは人間パターン。

ハンティング・ナンバー1

ハンティング・ナンバー1

  • マーティン・ディングル・ウォール
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ハンティング・ナンバー1
【1,000円】主人公が通りかかって宿泊した町、翌日は「狩猟祭り」の日だった。狩るのは人間。主人公たち4人は獲物にされる...感想がつぎの作品と同じなのでまとめて。

Miss.処刑人(吹替版)

Miss.処刑人(吹替版)

  • エリザベス・コッター
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Miss.処刑人
【500円】タイトル詐欺。家を出て長いこと会ってない母親が病死。埋葬するために病院に行くとすでに葬儀屋に引き渡されていた。葬儀屋に行くと新鮮な遺体を臓器売買に渡す町ぐるみの陰謀があった。主人公は母親の遺体を取り戻したいだけだがギャングと戦うことになる...前の作品もこれも、結果的に主人公が敵をどんどんやっつける。一見、「ナーメテーター」なのだが、どちらも主人公のバックボーンが語られていない。そのため主人公は強いのか、ただ運が良いだけなのか、敵が弱すぎるのかがわからないのが爽快感に欠ける。

インサイド・マン
【1,700円】まったく覚えてないし、記録も残ってないのだが、プライムビデオのメーターを見ると最後まで行ってるんだよな。なんだろう、最初で寝ちゃったとか。4人の覆面が銀行に押し入り行員と客の50人を人質にする...ここまではよくあるパターンだが、犯人側の行動、逃走のしかた、犯行の動機、すべてが意表をつく。デンゼル・ワシントン演じる主人公の刑事、犯人との勝負には負けたが試合には勝ったみたい。てか、犯人はそもそも戦う気がなかった。

こわい童謡 表の章/裏の章
【1,000円】これもU-NEXTのみでいまから15年前の作品。表の章はある高校の音楽室をめぐるホラーで主演は多部未華子。裏の章はそれから5年後、その高校で起こった大量殺人事件のドキュメンタリー番組を撮影するため、音響スタッフとして参加した安めぐみ。表の章で起こった怪異現象を、裏の章で防犯カメラや携帯電話に残った音声から主人公がすべて解き明かすのは新しい。それぞれ1時間だが、表の章はかなり冗長。こっちは30分から45分にできるので、合わせて1本で十分でしょ。