新入学ビデオまつり「ウィリーズ・ワンダーランド」「博士と狂人」

マイナーな映画を7本。

【300円】 今回は7本もあるのでお勧めできない映画は簡単に。薄味のホラー映画で展開はよくあるパターン。叔母さんが最初からすべてを話していれば親戚のお姉さんは死ななかった。

【1,900円】 またまた我らがニコラス・ケイジがやってくれた。たぶんニコラス・ケイジ史上の最高傑作、だがニコラス・ケイジ史上の最高におバカな映画なので、事前に数本を見てからこの映画を見た方がいい。主人公の特異なキャラ設定(ルーチンへの異常な固執)、無駄に高い戦闘能力(モップと素手だけで殺人ロボットを何体もやっつける)、度を超して無口(セリフがまったく無い)、これらを説明もなくすべて「だってニコラス・ケイジだから」と受け入れられないと楽しめない。ニュースが流れていて、やはり多額の借金がありどんなB級映画でも断わらずに出てきたが、やっとその借金を完済したと。まさかアカデミー賞主演男優賞なんか狙ってないと思うが、これからもおバカな映画に出ておくれよ。

【1,900円】 ポスターのデザインが好きってだけで見てしまったが、すごく良かった。19世紀のオックスフォード英語辞典を編纂する話、イギリス版の「舟を編む」。だがこちらは単語の意味だけでなく、用例の変遷を出典とともにすべて記述する壮大な計画。停滞している計画を立て直すため新たに主人公がリーダーになる。だがメンバーは3人しかいない。新刊や古本に「なんでもいいので単語と用例を送って欲しい」と手紙を挟み国内から広く募集する。ある日、作業のネックになっていた時代の用例が大量に送られてきた。歓喜する主人公たち。それを送ったのは殺人を犯し精神科の隔離病棟にいる患者だった...ここまでだけでも主人公側、患者側にドラマがある濃密な映画。主人公のじいさん、どこかで見たと思ったらメル・ギブソンか! マッドマックスは40年前なんだね。

【1,600円】 誘拐された子どもの身代金を稼ぐため銀行の頭取に家に押し入る主人公たち。家族を人質に、頭取には銀行から現金を持って来させるという誰も傷つけない簡単な計画のはずだった。だがこの家族には秘密があった...後半でいきなり物語の様相が変わり悪党側のサバイバルになるという、ロドリゲス監督の有名な作品と同じ展開。

【1,700円】 ここから3本は私がビデオ鑑賞の参考にしているYouTubeの「ゆっこロードショー」で、すごいどんでん返しの作品として紹介されていたもの。本作は有名な原作があるみたいで、主人公の能力や背景について詳しい説明なしで本題に突入。一つは成仏できない霊が見えること。霊は主人公に犯人を教えてくれることがあるが会話はできない。もう一つはこれから死ぬ人がいると現われる死神(人ではなく怪物の姿)が見える。町に大量の死神が現われ、惨劇を未然に防ごうとする主人公の活躍がこの映画。連続ドラマの一編を見ているような軽さ。事件が解決しても再生時間がまだ10分もあるので???と思ったらそう来るか。有名な映画と同じパターンだった。主人公自身が幽霊ってわけじゃないよ。

【1,700円】 大雨で道路が水没し先に進めなくなった人たち11人がモーテルに来る。その中には死刑囚と警官も含まれていた。ところが死刑囚が姿を消し、宿泊客がつぎつぎと殺害され、死体のそばには部屋のキーが落ちていて10、9、8とカウントダウンされていく...怪しい人がつぎの死体になり犯人がまったくわからないパターン。けっこう手前で物語の真相が判明し、それは私の嫌いなあのパターン。ただ、それが最後のオチではなく、それでも物語が続くところが新しい。

【1,800円】 大司教が惨殺され現場から逃走した青年が逮捕される。その青年の弁護を引き受けたやり手の弁護士が主人公。青年の言葉を信じてはいるものの事件の真相がわからないまま裁判が始まる...事実が少しずつ明らかになり絶望的な状況に陥る主人公だが大逆転を狙う。このあたりと、その後にやってくるどんでん返し、私はわかってしまった。それでも最後まで脚本が見事。