地味につらかった1日

学生のときの50日に比べ、今回は1泊2日なので楽ちんだぜ、と思っていたが意外と辛かった。まずは麻酔。麻酔にはガスを吸い込み気絶させる全身麻酔、背骨の間にぶっとい注射を打って下半身全体を麻痺させる下半身麻酔*1、患部だけを麻痺させる局部麻酔*2がある。前回は下半身麻酔だったが、今回は局部麻酔。下半身だとオシッコがしたいのかしたくないのか漏らしちゃったのかまったくわからない。局部麻酔ならイージーだぜい、と喜んでいたが想像以上にハードだった。ご自分の足を見て欲しい。アキレス腱のあたりって筋肉も脂肪も無いでしょ。こんなところに、ほぼ垂直方向で麻酔注射を7本も打ったらどれほど痛いか。この世のすべての行動をやっていいことと、やってはいけないことに分けるとしたら、これは明らかに後者だ。さらに出血を抑えるために、腿の中央あたりをごっついゴムバンドで締める。止血のためだからかなりキツく締める。もし平時にこれをされたら「痛てててて」と叫ぶだろうが、散々に痛いことをされた後なので文句も出ない。だが、このゴムバンドの真価が発揮されるのはもっと後。この時点の私にそれはわからない。手術は粛々と進んで「じゃあ、一回洗いますね」と足を上げて流されているが麻酔が効いているのでよくわからない。そうか、麻酔注射は痛かったが、もう何も感じないのでこの先は痛い思いをしなくていいわけだ。ふふーん。「いまからアキレス腱を引っ張りますね」、おおお、足の中で何かが引っ張られている。前回の下半身麻酔だとこんなことをされても何も感じないが、今回は患部以外の神経は生きているのでテンションを感じる。このあたりで手術時間が30分を超えた。ここで痛みを感じないはずの私の足を、思わぬ伏兵が痛めつける。そう、ゴムバンドだ。腿を締め付けると言うことは長時間にわたって正座をしているのと同じ。神経が生きている腿が痛い。腿全体が痛い。葬式で長いこと正座をしたあの痛さだ。序盤は麻酔注射、終盤はゴムバンド。もしみなさんが手術をすることになって局部麻酔といわれたら先生の足にすがりついて「先生、全身麻酔、せめて下半身麻酔にしてください」と頼んだ方がいい。破壊的な瞬発力の麻酔注射、長時間じわじわと責められるゴムバンド、どっちもつらいぞ

*1:正式な名称は不明

*2:歯医者と同じな