3月に読んだ本

かなり前の作品。そしてかなりの異色作。入門用としてはお勧めしません。


非道とグローバリズム 新聞とテレビが絶対に言えない「宗教」と「戦争」の真実

非道とグローバリズム 新聞とテレビが絶対に言えない「宗教」と「戦争」の真実

国内の第一人者によるイスラム教、イスラム世界の解説。和田秀樹との対談なので読みやすい。なにかと騒がしいイスラム世界だが、ニュースの見方がだいぶ変わった。そしてテレビや新聞の論調がいい加減なのもわかった。


「クリエイティブ」の処方箋―行き詰まったときこそ効く発想のアイデア86

「クリエイティブ」の処方箋―行き詰まったときこそ効く発想のアイデア86

美術、音楽、映画の偉人たちの逸話集。ひとつの話が短く、ほう〜と感心する話が多いのでぐいぐい読める。でも処方箋ではないな。この本で紹介されている歴史に名を残す人たちに共通しているのはインスピレーションとかでスイスイ作品を作っているわけではなく、ものすごい練習量とかとんでもない試作品とか、誰よりも汗をかいていることだな。私には無理だ...


男たちの怪談百物語 (幽BOOKS)

男たちの怪談百物語 (幽BOOKS)

以前に「女たちの怪談百物語」という女性のホラー作家が集まって行なった百物語があったが、それの男性作家版。さすがに人気作家が集まっているので、内容もそうだが語り口が上手。


どこかのサイトに連載されている読者のお悩み相談。ただ、ここに寄せられる悩みは「借金で首が回らない」とか「リストラで明日からの生活が」というものではなく「一流の銀行に勤めているが心機一転、ベンチャー企業に転職すべきか迷っている」、「息子が東大に合格したが海外に留学した方がいいのか」とか普通の人から見ると贅沢なというか、持てる者の悩みというか。なので結論は「好きなようにしてください」なのだが、それぞれについてけっこうなページ数でそれにまつわる作者の助言や関連した逸話が述べられている。私には関係のない悩みなのだが、相談者の文章の中から問題点を見つけ出す読解力とか、切り口がすごく参考になる。


槐(エンジュ)

槐(エンジュ)

森林公園へキャンプに行った高校生、そこをテロ集団が占拠して血の嵐。ところが意外な見方が現われ...この人の作品はどれも面白いかつまらないかと聞かれると面白い。すごく面白い。だが...薄っぺらいのだ。土曜日の昼にやっている連続ドラマの総集編とか映画のノベライズのような。薄っぺらいままで終わらせるのが実にもったいない。映像化したら良いのではないか。


デブを捨てに

デブを捨てに

もうどの話もメチャメチャ。登場人物が出てくる人出てくる人、誰もがメチャメチャ。なのに物語としての芯がしっかりして人物が悪い人もその悪い人にひどい目にあわされる人も実に魅力的。さすがだ。


歴誌主義宣言

歴誌主義宣言

なんかよくわからなかったぞ。進化学のエッセイ集だ。


考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)

推論について、論理だけでなく統計学の視点からも解説。これ以上は書けない...秘密ではなくて忘れちゃったから


なんで水には色がないの? -大人も知らない世の中の仕組み

なんで水には色がないの? -大人も知らない世の中の仕組み

子どもの問いに対して大人が答える本はいろいろあるが、これは自然科学だけでなく「インド人は色が黒いから黒人なの?」など様々な分野の問いが網羅されている。そしてその問いを通じてなにを教えるべきか、大人ならなにを学ぶべきかを解説。ちなみにこの問いは「インド人はインド人です」と、皮膚の色で人を区分けすることの非合理さを説いている。


国会前でデモをしている学生と、それを持ち上げる野党とマスコミ。なにか違うぞと思っているのだが、なにが違うのか説明できなかったがこの本は明解に断じている。なるほど、そうか。