10月に読んだ本

10月に読んだ本はぜんぶで18冊だが、そのうち10冊はマンガだよ。

kindleストアで「10冊まとめて半額セール」をやってたので懐かしくて買ってしまった。たしか雑誌で読んだのは20年近く前。最近は「夜廻り猫」で賞を取ったよね。泉里香が出演した「カンナさーん!」もこの人の作品だったのか。この人の原作なら、あのドラマの雰囲気は原作と違うはずだ。


先月に読んだ「謎の館へようこそ」とともに、新本格30周年記念企画のアンソロジー。30年前に出版された綾辻行人の「十角館の殺人」が「新本格」というジャンルの始まりとされている。ただそれはあとからそう思うのであって、法月林太郎や有栖川有栖らが続くことでジャンルとして確立したわけだ。先日のコメント欄で「ウルトラセブンが50年前」という事実もびっくりしたが、私の中で10年という単位がインフレになっている。


ポスター、パンフレット、記事など印刷物のデザインの入門書。レイアウト、配色、写真、フォントなどを悪い例と良い例を対比させながらわかりやすく解説している。なにより、この本自体がレイアウトの見本になるように配慮されており見ているだけで楽しい。


ホワイトラビット

ホワイトラビット

奥さんと子どもがいる一軒家に立てこもった犯人と警察の攻防。よくある話だが、伊坂幸太郎が書くと玉ねぎの皮をむくように後から後から物語の様相が変わっていく。ひさしぶりの活劇だが、何重にも転換させようとするあまり仕掛けのための仕掛けが目立って嫌いな人は嫌いな作品かもしれない。


安楽探偵 (光文社文庫)

安楽探偵 (光文社文庫)

探偵事務所にやってきた依頼人の話を聞いて、その場で事件の真相を解明する安楽椅子探偵ものの連作集。読んでいて違和感を感じる点がそれぞれの話にあって、その違和感が最後の話の伏線になっている。強引なストーリーも多いのだが、作者はミステリーの人ではないからね。


ヴァラエティ

ヴァラエティ

過去の短編集やアンソロジーから漏れてしまった作品と対談集。小説は自分とまったく違う価値観で生きている人に出会ったときの戸惑い、怒り、どうしようもなさをテーマにしたものが多い。読んでいてすげえストレス。


これは面白かったなあ。トランプと安倍首相が仲良しの理由がよくわかった。反対勢力とマスコミが手を組んで印象操作をしているのが日米の共通点か。あと北朝鮮が韓国を軍事的に攻撃することはないと著者は断言している。北朝鮮からするとわざわざ武力を使う必要はないと。どちらも結論だけここに書くと私がバカに見えるから、興味がある人は本を読んでみてくれ。


超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)

超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)

経済学者と政治哲学者の対談。経済の部分は著者の過去の本と同じだが、それを歴史と政治の観点から裏打ちするという対談集としての出来が非常に良い。資本主義の基本は植民地や新興国から買いたたいて安く原料を手に入れ、それに付加価値を付けて高く売ること。植民地はもちろん新興国もどんどん無くなってくる現在において、資本主義経済がこれ以上に発展することはない。新興国は時間を経れば先進国の仲間入りするわけではなく、新興国から見たさらなる新興国がどんどん減ってくるのでそれほど発展できない。


瞬殺怪談 斬 (竹書房文庫)

瞬殺怪談 斬 (竹書房文庫)

ショートショートの怪談集。短いものは3行!