芽森しずくに会いに行こう(出動編)

列の先頭まで行った私。そこは写真集ゾーン。平台をよく見たら上原亜衣の写真集と夢乃あいかの写真集の間に橋本かんなちゃんの写真集が! 商売的には正しい。別のセグメントの人たちの中に食い込めたのは栄誉なことである。だがどうなんだ...「つぎの方どうぞ」と呼ばれて私と好青年は黒いカーテンの前に移動。その時点で好青年の後ろには5人くらい並んでいた。
カーテンの前で待つ二人。当然、店にはふつうの客も入ってくる。これが書泉グランデ有隣堂だったら恥ずかしいが、アリババ秋葉原店だとこの店に足を踏み入れた瞬間にすでに同類。ぜんぜん恥ずかしくない。むしろ誇らしい*1。手持ち無沙汰なので好青年に話しかけてみた。

  M14「撮影会つきのイベントって参加されたことあります?」

  青年「いえ、初めてなんですよ」

  M14「僕もです。勝手がわからなくて...みんなすごいカメラを持ってきてますね」

  青年「僕なんか携帯のカメラだけです」

  M14「あ、携帯のカメラはダメって書いてありましたよ」

  青年「そうなんですか。じゃあ撮影会の方はいいですよ」

  M14「ですよね」

  (ここで重要な伏線が張られたので覚えておいてね)

  M14「カーテンの中に入ってからがけっこう長いですね」

  青年「ええ、すごく長いですね。中はどんな感じなんですかね」

  M14「あんまり長いと気まずいですよね」

親子ほど年の離れた二人が初参加のイベントで不安を打ち明け合う。もうショートムービーの題材になるレベル。もっと話したかったが意外と早く呼ばれる。中から販売元の営業担当の人と思われる陽気でテンションの高いおじさんが出てきて

  担当「お待たせしました。初めてに撮影会をしますので荷物を置いてカメラだけ持ってお入りください」

げっ、手荷物の持ち込み禁止かよ。そりゃそうだな。じゃあ、プレゼントはこのおじさんに渡せばいいのかな?

  M14「あのう、プレゼントがあるんですが...」(すげえ恥ずかしい)

  担当「撮影会が終わったらいったん退出いただきますので、もう一度入るときは荷物をお持ちください」

なんだそうか。グループ撮影会なので全員がいっしょに入る。終わったらいったん出て、つぎのサイン会は一人ずつ入るわけだな。なにかが引っかかるがこの時点ではまだ事態を把握できていない。

  青年「あのう、携帯のカメラはだめなんですか?」

  担当「申し訳ありません。代わりにサイン会のときにチェキをお渡しします」

  青年「はい、わかりました」

  担当「では(私の方を見て)どうぞ。時間は30秒です」

...個人撮影会かよ! それがイヤだからここのイベントにしたのに。いまさらカメラを持ってないことにできないし、行くしかない。黒いカーテンの中に入ると、満面の笑顔でサンタクロースの芽森しずくさんがお出迎え...か、かわいい。これはすごい。写真や動画で見るより本物の方が数倍美人だ。まず静止画というのはあてにならない。修正をかけていることもあるし、自分がもっともきれいに見える角度で撮るでしょ。動画と実物で印象が違う人と同じ人がいる。この差はなんなのだろう。沢井美優安座間美優小松彩夏ウェザーガールズは同じ。テレビで見たまんまの人が目の前にいた。違うのが北川景子と芽森しずく。これはなかなか興味深いテーマだ。2次元と3次元で印象が変わる人と変わらない人。これが解明できれば女性のメイクとか、お見合い写真の参考になるのではないか。STAP細胞なみの大発見になるのではないか*2
これは私がちょろっと考えただけだから突っ込みとか反論はご自由に。私も真実が知りたい。これは顔の前面の凹凸とか曲率の問題ではないだろうか。
     
2次元だとたとえ動画であったとしても3次元の物体の2次元への投影である。よって曲率が大きい図形ほど投影図と実物の差が大きくなるわけだ。つまり顔が細くて鼻が高い人が右側の図にあたる。これが舞台に上がった北川景子を遠くから見るとそれはそれでテレビと同じなのではないかと思う。
おじさんが「では30秒です」、芽森さんは奥に移動。「あの...勝手がわからないので...よろしくお願いします」と情けない私に笑顔で返す芽森さん。あたふたする私にいろいろポーズを取ってくれる。あたふたしながら撮影終了。あとで写真を見たら、ぜんぜんダメじゃん。だいたい子どもが大きくなってから写真なんか撮ったことないからひどい出来だよ。顔を中心に持ってきてどうする。ぜんぶ上が空いて足が欠けてんじゃん。でもDVD1枚で個人撮影会ってすげえお得なイベント。私にはぜんぜんお得感がないけどな。
いったん退出してバックを持って再度入場。

  M14「はじめまして。お会いできてうれしいです」

この新規ユーザアピールは大事、メモしておくように。いつも来てくれる常連も大切だが、新しいファンが増えないと生き残れない。だが常連の中にはファンが増えるのを望んでない、いつまでも「ボクだけの○○ちゃん」でいて欲しい人がいたりするので、そこはタレントさんの裁き方の手腕にかかっている。ただ今回のイベントはほかの人はカーテンの向こうでまったく見えないし、この人数では関係ない話だな。

  芽森「...よろしくお願いします...」

活字では表現できないが、芽森さんのふにゃふにゃした話し方が独特。今回はサイン会、小松彩夏のときはDVDのパッケージにサインをしてもらうことになっていたのでDVDが必須。今回も念のためにDVDのパッケージを持ってきた。「なまなかだし」な。途中で事故に遭って死亡したら遺族がすごく恥ずかしい思いをするところだった。でもこのジャンルのタレントさんのサイン会は「サインするものはなんでもいいです」と書いてあるものも多い。じゃあ、何にサインをしてもらう? スマートフォンの裏とかもいいのだが女房に聞かれたら答えられない。文房具屋でB6版くらいの小ぶりのスケッチブックを買っておいたよ。たぶん1ページ目しか使わないだろうけどな。担当のおじさんが

  担当「サインは色紙と写真のどちらにしますか?」

なんだよ、そういうシステムか。DVDもスケッチブックもいらなかったじゃないか。たぶんスケッチブックでお願いすれば書いてもらえたと思うが写真のがいい。写真のが隠しやすい。「写真でお願いします」。ここで

  芽森「...何色が好きですか?...」

え? 何色が好きかなんてこの数十年考えたことがなかった。私が好きな色は何色だろう。好きな色は青と紫の中間。すみれ色よりちょっと青寄りの色が好きなのだが、そんな色を言われても困るだろう。そもそもその色をなんと呼ぶのか知らねえし。

  M14「青です」

  担当「青、青、(大きな袋からなにかを探している)きょうは青が人気あるな」

  M14「あ、なんの色でもいいですよ」

で、袋から出てきたのがこれ。
     
芽森さんが手にはめてくれた。きょうは2回イベントがあって、何人来るかわからないから100個くらい作ってきたんだろうな。芽森さん、いくら時間だけはたっぷりあると言ってもたいへんだっただろう。ありがとう、大切にします。でも手にはめることはもうないと思います。

  M14「ありがとうございます。お返しにこれを」

  芽森「ありがとうございますー

  担当「ありがとうございます!」

このおじさん、芽森さんといっしょにお礼を言うところを見ると、芽森さんのマネジャーか。ここで現場の状況を説明しておく。北川景子みたいに大がかりで厳重警備のイベントは別にして、ふつうタレントの握手会とかサイン会はタレントと来場者の間にテーブルがある。これがあるからそれ以上は近づけない、防衛ラインになっているわけだ。ところが今回のイベント、直径50cmくらいの丸テーブルがあり、芽森さんが座っていて、来場者は芽森さんの正面ではなく、横に立つ。つまり芽森さんが12時の位置だとすると、6時ではなくて9時の位置に私が立っている。そうすると、私と芽森さんの間を隔てる物はなにもなく、30cmくらいの距離なのだ。腕を伸ばせばモミモミできる。上体を倒せばクンカクンカできる。毎週ここでイベントをやっているわけで、これって、ファンサービスといえばサービスなのだが、これだけ無防備な状態に置かれる彼女たちが憐れでもあった。

  芽森「...お名前は?...」

ああ、名前も書いてくれるのか。どうでもいいけど、さっきから芽森さんが色とか名前とか私に聞くとき、大きな目で下から見上げる。うう、これはヤバい、ヤバいぞー ドMの美人に下から見上げられる。これは効く。これだけでイベントが一つ成立するくらいだ。

  M14「名前の代わりに『来年もがんばります』と書いてもらえますか」

  芽森「はい

名前より字数が多いよな。でも芽森さんは嫌な顔もしないでやってくれる。ドMだから*3。やっぱりタレントの人って作品をほめられるのがうれしいよね。ミュージシャンだったら「今度の新曲いいです。何度も聞いてます」とか、女優だったら「映画見ました。すごく良かったです。北川さんもきれいでした」とかさ。でも芽森さんみたいなジャンルの人は難しいよね。「『美しいお嬢様の卑猥なる飼育』良かったです」って恥ずかしいじゃない。みんなどうしてるのかな。サインは進む。

  サイン「来年は」

あ、「は」はダメでしょ。「来年はがんばります」だと今年はがんばらなかったみたい。芽森さんは芽森さんなりにがんばりましたよね。

  M14「...「は」ですか...「も」...」

  サイン「来年はも」

とりあえず「も」を書いてから「は」を消すのかな。

  サイン「来年はもっともっとがんばります」

  M14「ああ、なるほど」

どうなんだろう。もちろんこんなところに変なことは書くわけはないのだが、芽森さんすぐに引退ということはないと思う。サインが終わったら退場だよな。いましかないな。

  M14「来年は月に3日だけじゃなくて、お仕事がたくさん増えるようにお祈りしています」

  芽森(サインを止めてこっちを見て)「ありがとうございます(笑)

  M14「長くお仕事を続けていただけるとうれしいです」

  芽森「はい、がんばります

  (サインに戻る。あとは日付)

  芽森「あ、わかんなくなっちゃった

  M14「すみません、僕が話しかけたからですよね」

と言って私もきょうが何日だったか思い出せないのだが。サインが入った写真を受け取って握手をして芽森さんの笑顔に送られて退場。ここまで担当の人にせかされなかったから、あと15秒、下手したら30秒くらいいられたかもしれないが話題が思いつかない。
あー、なんか楽しかったな。コミックショー付きのウェザーガールズのイベントがいちばんなのは変わりないが、ただのサイン会とか握手会では今回がいちばんだった。世の青少年諸君、Ακβとかマイナーアイドルのユニットとかより、このジャンルの女優さんのイベントは

  費用対効果が高すぎる!

  1.待ち時間が短い

  2.滞在時間が長い

  3.ユルい進行

  4.美人でかわいい

  5.イベント慣れしてる

最後のは重要。華子様みたいに向こうがガチガチに緊張していると盛り上がらない。まずいな、まずい世界を知ってしまった。これはクセになるぞ。

*1:誇らしくはねえだろ

*2:発見できてなかったみたいだけど

*3:そういうわけじゃないだろ。ファンサービスだろ