緑内障への道(第5回)

前回はここね*1。良くもなく悪くもなくの状態が続いて、毎月1回、検査を続けたこの2年間。先週の土曜日に急展開があった。緑内障になると眼圧が上がる。それを調べるのが、30代以上の人はやったことがあると思うが眼圧の測定。目玉に風を吹き付けるやつね。私の場合、あれの数値はそんなに悪くないんだよ。でも医者が言うには「眼圧が高くならない緑内障が増えてるんですよ」。じゃあ、毎月ここに検査に来ている意味がないじゃん。ということで、最新兵器が投入された。

  OCT:光干渉断層計*2

要するに目玉のCTスキャンだ。眼底、つまり網膜の厚さを測定するメカらしい。まとまった説明を聞いたわけではないが、断片的に医者が話していたのから想像するとこういうことだ。物を見るという行為は、目で見るわけではなく、あくまでも脳で見る。目はただのセンサーだ。瞳孔を通って網膜に映った像、つまり光の信号を、視神経が脳に送ることで「見える」わけだ。余談だが、目に異常があって生まれつき目が見えない人が大きくなって目の手術をしても目が見えるようにはならないと何かで読んだことがある。目というセンサーは直っても、センサーから送られた情報を脳で処理するプログラムが未発達なので視力は戻らないらしい。違ってたらゴメン。
それで、この視神経が働くのに必要なのが網膜全体に敷き詰められた毛細血管だ。この血管が細くなっていて視神経にエネルギーが行かないと、視神経が働いてない部分ができる。これが視野の欠損になるわけだ。想像で書いているので突っ込まないように。ポイントは血管だから。そこはまちがいない。このOCTだが、接眼鏡をのぞくと「米」のような印が見えて、そこから目をそらさないように言われる。「はい、行きますよ。動かないでください」と医者が言うと、上から赤い水平線がゆっくり降りてきて、これが網膜をスキャンしているのね。
で、結果なんだけど、見事に血管が細い箇所がある。範囲が狭いので自覚症状はないが見えてない部分があるらしい。なんだよ、この2年間がすごく無駄だったじゃないか。最初からこの機械を使えば。最近、入った機械なのかな。治療方法は血管を広げる目薬を1日1回点眼すること。これで細くなっている血管を広げるそうだ。ところがこの目薬、細くなっている血管だけに作用するわけではない。ぜんぶの血管を広げるわけだ。するとどうなるか。目が真っ赤に充血する。なので、寝る前に付けてくださいと言われたのだが、丸一日経っても充血してるよ。するとなにかい、私はこれからずっと「目が血走った男」として生きていくのかい。会社で会う人ごとに言われたよ...