検証・これが実写版の台本だ!−act44(その4)

クラウンの秘密基地に初めて現われる美奈子。「ジャーン!」3連発にBGMはセーラーヴィーナスのテーマ。このへんのセンスについてはもう何も言うまい。台本で2番目の美奈子のセリフの前がカット。いままで来なかったことをレイに突っ込まれる美奈子。本当の理由はact18でアルテミスが指摘しているようにセーラー戦士たちとの別れがつらくないようプレイベートの付き合いをしたくなかったためだ。この日のレイが美奈子の訪問に対して歓迎ムードでないのは、来訪の目的が友好から来るものでないことわかっているからだろう。
それにしても美奈子はなんでレイを追い出さなければならなかったのか。前世の使命を果たすつもりがない者はセーラー戦士でいる資格がないからか。だがほかのメンバーもその気が無いようなのだが。美奈子が治療に専念しないでダークキングダムとの戦いに身を投じているのは、一つは前世からの使命のため。もう一つは現世での自分、すなわち病気と正面から向き合いたくないのはここまでの展開で予想できる。戦いに加わることを拒否されたら、自分の使命を果たせないばかりか、いままで避けてきた問題と取り組まざるを得なくなる。しかも、レイは戦士として目覚めてないといういちばん痛いところを突いてきている。これは自分の存在に賭けてレイを離さなければならない。
こんなところだろうが、前提としてレイ以外のセーラー戦士が美奈子側に付かなければ意味がないのだ。この点にどういう勝算があったのだろうか。それとも前世では自分の命令は絶対だったという記憶からなのだろうか。よく考えると不思議だが、結果的に誰も美奈子に反旗を翻さなかったので美奈子の思惑どおりになったわけだ。みんな前世ってなんなのかよくわかってないにもかかわらずだ。
(つづく)