ぼうたろうさんが過去の「プラス1の戦士」について詳細な分析をされている*1。これによるとセーラーヴィーナスは十分に「プラス1の戦士」の要素を持っているとお墨付きをいただいた。これはかなりの力作で懐かしい名前を出てくるので必見。
さて、セーラーヴィーナスに関する3つの疑問の内、2つまでは答えが見つかったので残る一つ、最終回前に死ななければならなかった理由。別の味方をすれば、最終回前に小林靖子が愛野美奈子=セーラーヴィーナスを殺さなければならなかった理由を考えよう*2。
ただ一人、前世の記憶を持っているヴィーナスの使命は
1.プリンセスを守ること
2.地球の滅亡を防ぐこと
まず、1はとりあえず成功である。セーラームーンの最大のピンチであったact14になぜ出てこなかったと突っ込みは置いておく。act12、act18、act22、act28、act35ではたしかにセーラームーンのピンチに登場し活躍した。問題は2である。本来なら「地球の滅亡を防ぐ=侵略者を倒す」であろう。防戦一方の消極的な戦いではあっても4人のセーラー戦士の目的はダークキングダムと戦うことだった。ところがヴィーナスの目的は「前世をくりかえさない」。ここで言う、くりかえしてはならない前世とは
1) プリンセスとエンディミオンが恋に落ちる
2) エンディミオンが死ぬ
3) プリンセスが半狂乱になり幻の銀水晶のパワーが暴走
である。さて、ここで問題になるのが、たびたび話題にする実写版における前世の描写である。アニメでは、月の王国が滅びセーラー戦士をはじめプリンセスやエンディミオンが死んだ原因が月と地球の戦争で、その元凶がクインメタリアだった気がした*3。つまりクインメタリアを擁するダークキングダムを滅ぼすことは前世を繰り返さないことの目的となり得る。ところが実写版では月と地球で戦争があり、それが原因で四天王やエンディミオンが死んだのは所々に挿入される描写で想像はできるが、それとクインメタリアの関係が描かれてない。実写版での前世にクインメタリアはいないのかもしれないが。そのためセーラーヴィーナスはプリンセスを守るという目的においてはダークキングダムと戦う必要はあるものの、彼女が自分の使命と強く自覚している「前世をくりかえさない」点においてはダークキングダムと戦う明確な理由がないのだ。
(つづく)
*1:http://d.hatena.ne.jp/botaro/20061213
*2:ちなみに「最終回前に死亡」は、ぼうたろうさんが「プラス1の戦士」の要素として入れている
*3:よく覚えてない。まちがってたら訂正願います