新千歳空港のパンク3人組

その日、風邪で体調不良の私に追い打ちをかけるように新千歳発羽田行きは45分遅れ。しかも新千歳空港は修学旅行帰りの高校生が3校重なり大混雑。金属探知器をくぐるゲートは長蛇の列。高校生はJRを使え!何時間かかろうと電車の中で親睦を図るなり勉強をすればいいだろう。1両目から10両目までで伝言ゲームをやったら楽しいぞ。みんなで電車男ごっこをしろ。
20分くらい並んでやっと私の番が近づいてきた。私の前はパンクの3人組。ふつうゲートをくぐる前にポケットの中の金属製品をカバンに入れるなり備え付けのかごに入れるのだが、こいつらは何も出さない。「ん?何もないのか。人一倍金属製品を持っていそうだが?」案の定、3人ともゲートをくぐると警報が鳴った。腰に巻いていたチェーンをはずして(そりゃ鳴るよな。てか機内に持ち込んでいいのか?凶器になるぞ)再度ゲートをくぐる。また鳴った。ポケットから鍵の束を出して再度ゲート。また鳴る。結局、ゲートの向こうで係員全員で3人の身体検査。あとからあとから出てくる。ジッポーのライター、金具が付いた靴、数々の装身具...おかげで3人の身体検査が終わるまで私は足止めを食らう。なんなんだ、おまえらは。
だが、ある事に気が付いた私は、この3人を優しく見守ってやることにした。そうなのだ、こいつらは

     金属とはなにかを知らないのだ

おまえらも飛行機に乗る資格はない。高校生と一緒にJRで帰れ