火野レイはなぜ茶髪なのか?*1

火野レイは、初登場のact3、その翌週のact4は黒髪だったものの、翌週のact5から軽い茶髪になり最終回まで茶髪で通している。*1それに対して、月野うさぎ水野亜美は最後まで黒髪だ。芸能人である愛野美奈子でさえ黒髪なのだ。なぜだ、火野レイこそ黒髪であるべきじゃないのか?親と同居してないから不良化が進んでしまうのか?そういえば同じく一人暮らしの木野まことも茶髪だった。
これにはアニメ版にさかのぼらなければならない。アニメ「美少女戦士セーラームーン」は日本のアニメ界に偉大な功績を残している。それは

     変身後に元の顔のままでも誰も気がつかない

というパラダイムを作り出したことだ。本来ヒーローは正体を隠さなければならない。なぜか。ヒーローが戦う敵に本人はもちろん、家族や友人が狙われるからか。それもあるだろう。だが、正体を隠す一番の理由は、

     ヒーローの正体がばれると仕事が増えて忙しくなりすぎる

からである。*2うさぎがセーラームーンであることを一般人が知らないからダークキングダムとだけ戦っていればよいのである。もしセーラームーン月野うさぎであることが町内に知れ渡ったら、泥棒、放火など町の治安維持に担ぎ出されることは目に見えている。また運動会や成人式など各種行事、テレビ・新聞のインタビュー、TBS春の感謝祭*3にも引きずり回されてしまう。
ところでこの顔隠しは、実写の特撮番組ではスタントと入れ替われるメリットはあるが、その必要がないアニメでは表情が見えなくなるデメリットの方が大きい。そこでキューティーハニーのように髪型を極端に変えるか、ガッチャマンのように薄いフードをかぶっているか、この「顔隠し&表情見せ」は従来のヒーローアニメの工夫のしどころだった。ところがセーラームーンは髪型もそのまんま。変身前と変身後の首から上はティアラとピアス以外は変わらない。いちおう、変身後はお化粧をしているという描写はあるものの、家族だろうが友人だろうが正体に気がつかない。この設定でよければ制作側はこんな楽なことはない。以降、少女ヒーローアニメでは首から上の変化は不問になり現在に至っている。
アニメでは人物を描き分けるために平時から亜美は青い髪、うさぎは黄色い髪になっていたのを実写版では利用して、変身によって髪の色が黒から別の色がかわることをお化粧と合わせて「変身(メイクアップ)」としている。この設定はかなりの成功だったように思う。とくにうさぎとムーン、亜美とマーキュリーは初めて会ったら同一人物とわからない。*4ただ、act2では亜美に「月野さん?」、act6ではまことに「うさぎ?」とバレていたので、知人に会ったらバレるという前提で物語が書かれていたように思う。全49話中、変身後に家族や友人の前にセーラー戦士が姿を現わしたことは一度もない。なお、小松彩夏は変身前のがかわいいが、沢井美優は変身後の方がかわいい。がんばれ沢井美優
問題はセーラーマーズである。変身後は黒髪のロング。もちろんありえない長さのロングだが、変身前との差が小さすぎる。そこで火野レイは茶髪なのである。レイは変身することによって髪の色が茶色から黒に変わるのだ。けっしてセブンティーンの仕事の都合なのではない。*5

*1:いま火野レイ登場回をビデオで見て確認した←アフォ

*2:枠組みで書くようなことか

*3:これは出たよね

*4:ほんとに目の前に出てきたら、あのコスチュームと髪型に驚いて顔なんかゆっくり観察しないだろうな

*5:みんな知ってた?知ってたか..._| ̄|○