北川景子「大女優への道」−餡かけはそばよりうどんで−

ついに最終回。つぎのクールのニュースは入ってきてないので、これでしばらくお別れだ。では最終回らしく私も渾身のレポを書くよ。

     

  菜々子「(笑顔で)承知しました」

     

  汐里「三田さんが困ったときは頼ってね」

泣き顔がブサイクすぎだろ、くつな。正しい泣き顔を北川景子から教われよ。元の顔がわからないくらい変形すると誰からもブサイクとは言われないんだ。ラストの三田が微笑むシーン。わざとらしい場面になりがちなところをテンポ良くたたみ込む演出は「女王の教室」の最終回と同じ。このドラマ、なんとなく40%が取れたわけではない。
って、ちが〜〜〜う。
     
こっちだよ、こっち*1。それにしても最終回が伸びなかったのが痛かった。結果は
     
月9にわずか0.02%負けて第4位。でも上出来じゃないか。あやうく低視聴率女王になるところだった。ありがとう、櫻井のファン。いや、ベムの最終回が伸びたら第5位か。そもそも謎解きは1話完結で、最終回に向けて大きなうねりがある話ではないからな。
さて、本題に入る。数週間前から気になっているのがこのCM。
     
番組とのタイアップで、屋敷の前に停まっているリムジンにお嬢様が乗り込むのを報道陣が待っていると、脇からニッサンの電気自動車で通り過ぎるというもの。気がついたか?

  なんでCMのが使用人が多いのだ?

以前に紹介した「貴族探偵*2。あれは執事と運転手とメイドがいたよ。最低でもこの3人は必須だろ、大富豪なら。謎解きはこの3役を影山が兼ねている。この「貴族探偵」をドラマ化しないかな。謎解きよりこっちのが面白いのに。結局、謎解きは「本屋大賞」を取ったからプロデューサーの目に止まっただけで、ドラマにすると面白い隠れた原作を探すという努力もしてないんだろうな。
最終回らしく大物ゲスト。麗子の父親役で高橋英樹が登場。

     

  英樹「ま、わたしはあのままワガママでもかまわなかったんだけどね」

そうそう、父親というのは娘のワガママなんかたいていのことは許しちゃうんだよ。ただ父親がそう言ってるわりに劇中の麗子はそれほどワガママではないんだけどね。そして父親から影山に麗子の秘密が告げられる。
     
この秘密はドラマのエピローグで明かされるのだが、クリスマスプレゼントはサンタクロースが届けてくれるのだと、いまだに信じていることだ。私はそれほど驚かないよ。私の一家は娘が小学3年生になるときに札幌に引っ越した。驚いたのがクラスの3分の1くらいの子が麗子状態だった。小学校の3年生、9才だぞ。娘も子供心に「これは反論してはいけないことだ」と思ったそうだ。ドラマは先に進んで、おやっと思ったのがこのシーン。
     
左腕に巻いている腕章に「国立(こくりつ)〜」と書いてあるでしょ。国立って、国立のなんだよとしばらく考えちゃったよ。あれは「国立(くにたち)署」ね。紛らわしいんだよ、国立市。影山が拘留されているので一人ぼっちのディナー。

     

  麗子お嬢様の気まぐれサラダ

大金持ちがカテゴライズすると、これはサラダなんだろうな。私のような庶民の目にはこれはサラダではなくて「ローストビーフ レタス添え」と映る。ローストビーフの存在感があまりに大きいので、ふつうはいちいち「レタス添え」なんて言わない。これはサラダではなくて

  メインディッシュ

だ。大金持ちにとってローストビーフなど明太子くらいの存在感なのだろう。たとえば、ご飯の上に明太子をのせて食べたとするでしょ。もし明太子がキャピアより貴重な国があったとしたら、これは「明太子 ごはん添え」となる。よく覚えておくように*3。ここでCM。ファブリーズのCMに毎回出ているこいつ。
     
華子様の唯一の映画で共演したやつだよね。だよねって言っても知らないか。
     
映画のころは「小太りの少年」だったのに、いまは「デブの青年」になってるじゃないか。もうちょっと考えろよ。先週、予想したとおり犯人の一人は石黒賢だった。
     
いいよいいよ、石黒賢。今回の役にぴったりだ。おじさん、ちょっと泣いちゃったよ*4。ところで石黒賢から捜査の目をそらすために娘が3階のまどから、真下の2階の窓にトロフィを投げ入れるのだよ。
     
これは可能か? 3階の窓から投げた物体が、2階の窓に対して多少なりとも直角方向の運動を持たなければ中には入らないのだよ。これは身長の低い少女には難しくないか? さらに
     
3階と2階のあいだには軒(のき)があるじゃないか。影山の推理には無理がある。真犯人は別にいる?! そうか、シーズン2はここから始まるんだな*5。まあ、こんな細かいことを気にしたらこのドラマは見られない。何度も言うが、推理小説をドラマにする場合、謎解きの部分がひたすら探偵の解説なので単調になってしまう。その部分に毎回、よく工夫がされていたと思うんだ。
     
     
櫻井と北川景子の人気だけでは平均15%の視聴率は稼げなかったと思う。画面が変わって
     
なんと、柴咲コウがバーターに! ついに北川景子は事務所の頂点を極めたのか! と思ったらCMだった。あと気になったのが

     

  景子「じゃあ、あの黒いインクで書かれたXは?」

「インク」は「イ」にアクセントがあった。北川景子のブログを読むと、このドラマはかなりの突貫工事だったみたいだよね。屋敷のシーンは動作が少なくてセリフが多い。北川景子のセリフがなんとなく上滑りをしてるというか、監督からあまり演出的に高い水準を求められなかったのだと思う。それでも一定の水準を出すのが役者というものだが、今度の課題も浮き彫りになったドラマだったように思う。それは本人がよくわかっているだろう。
それにしても月9が抜けなかったのが残念だ。むしろ時間を延長しないで60分か、15分の延長に収めておいた方が視聴率は伸びたのではないだろうか。石黒賢が良い芝居をしていたので、帰りの車のシーンでラストにして
     
こういうウケを狙っているのかガチなのかわからないカットはいらなかったように思う。いろいろ書いたが、毎週、北川景子を見られるのは幸せなクールだったし、後半は脚本が整ってきて毎回楽しめた。主役が続いたので、次回作は中堅どころの俳優が主役のドラマの脇役がいいのではないだろうか。北川景子も勉強になるだろう。来年は小松彩夏のドラマのレポをお送りします。レポになるのか?

*1:こういうミエミエのボケがすでに渾身のレポじゃなくなっている

*2:http://d.hatena.ne.jp/M14/20100903

*3:なぜ?

*4:涙腺が緩すぎだろう

*5:違うよ