【異世界通信】 レトルトカレー

過去の【異世界通信】 は「まあ、異世界と言えなくもない」とか「これのどこが異世界なんだよ」だったが、今回はガチの異世界だ。

   

たくさん並んだレトルトカレー。珍しくもないか? でも並べ方がスーパーやコンビニにしては変だろう。ここは本屋なんだよ。本がさっぱり売れないからカレーの取り扱いも始めたのか? それとも、ファッション誌にバッグとかポーチとか化粧品が付いている企画の発展形か? あれは書籍扱いにすることで、ファッション関係売り場だと埋もれてしまいそうな商品を書店に置いたんだよね。このカレーは食品なのか、それとも書籍なのか? しまった、裏側にISBNコードが付いてるかを見ればわかったのか。あまりの衝撃にそこまで知恵が回らなかった。よく見るとスーパーでは見かけないカレーなので、書籍扱いのようだね。家族でやっているような小さい本屋はよほど人が多い地域以外はぜんぶ無くなって、私の住んでいるところもチェーン店しか生き残ってないよ。チェーン店はそこそこの広さがあるし、かといって本が売れないのは事実だから店先を貸す感覚で「書籍扱いのなにか別のもの」を売るのはアリだよね。

この考え方をべつの物に応用できないかと考えたのだよ。文房具を売るとか工具を売るとか、そんなのはマイナーチェンジだろ。本来の置き場所には置いてもらえない、あるいは置いても埋もれてしまう。それを別の場所に置くことでニーズがある人の目に止まるようにする。たとえば、婚活パーティーに参加してもうまくしゃべれない。マッチングアプリに登録してもプロフィールがパットしないので目立たない。そういう人が、お爺ちゃん、お婆ちゃんが集まるような場所に出入りする。ただ介護はダメだ。もうちょっとボケちゃっているから。サークル的なものにボランティアとか指導員として参加するのが良い。時間はかかるが、そこで老人に好かれてお孫さんを紹介してもらう。いまは廃れてしまったお見合い制度を自分でドライブさせる感じだな。確率は低いし時間はかかるが、そもそもほとんど諦めている人だから無いよりはマシってことでどうかな。これの問題は一度会ってしまったらお爺ちゃんお婆ちゃんの手前、こっちからは断りにくい点だな。その場合はアルデンチンに転勤になったとか言って、そのサークルを辞めればいいのか。誰か試してみてくれないかな。