真冬のビデオまつり「バーバリアン」「インビジブル・ウィットネス」

昨日は大雪だって散々脅かされたけどほとんど雨だったよ。

バーバリアン
【1,700円】「IT」のスタッフが作ったというのが売りの映画。就職試験のために来た都市のホテルがぜんぶ満室で、そこから遠く離れた町で民泊の家に泊まる。だが夜中に物音が聞こえたり、閉めたはずのドアが開いていたり...全貌が判明するとよくあるホラー映画のパターンなのだが構成がうまい。全体が4部構成になっていて新しいパートが始まると前のパートとの関係がわからずラストシーンでつながるのが面白い。

 

ポゼッサー
【1,600円】監督はデビッド・クローネンバーグの息子。主人公は殺人を請け負う会社の一員。特殊な機械を使って他人の意識に入り込みターゲットを暗殺し、その後に自殺をすることで意識が自分の身体に戻ってくる。高い成功率を誇る主人公だったが大がかりなミッションにおいて、元の意識が邪魔をして自殺ができない。他人の身体に入ったまま逃亡をすることになる...殺しのシーンがエグいわりに映像や音楽がすごくおしゃれ。ラストで主人公がとった行動の意味がわからず見た人に教えて欲しい。

 

犬も食わねどチャーリーは笑う
【1,200円】倦怠期の夫婦。妻は「旦那デスノート」というサイトに夫の不満をぶちまける。そのサイトが出版されることなり、人気のある投稿者数人の書き込みが活字になる。妻はその中に選ばれるが、そのころ夫がそのサイトを発見し、妻が書き込んでいることがわかってしまう...これはいかん、身につまされる、苦しすぎる。ちなみにチャーリーは犬ではなく夫婦が飼っているフクロウ。フクロウは止まり木の上でじっとしているんだな。餌は冷凍のネズミ。

 

クリムゾン・ピーク (字幕版)

クリムゾン・ピーク (字幕版)

  • ミア・ワシコウスカ
Amazon

クリムゾン・ピーク
【1,500円】ギレルモ・デル・トロ監督のゴシックホラー。結婚をして人里離れた古い館に引っ越してきた主人公。幽霊が出てきたり、館に隠された謎、夫の謎、同居している夫の姉の謎がつぎつぎに出てくる...話はすごく単純。意外性はほとんどなく、よくあるパターンで物語が進む。この映画の売りはギレルモ監督が作り出した独特の造形と色彩の館なのだろう。

 

ビフォー・ゲット・キルド
【1,200円】主人公が属するチームはネットで心霊番組を配信している。大がかりな番組を作るために過去に14件もの殺人が起こっている廃屋で中継をすることになった...このパターンで何本の映画があるのかと。怪異の正体が最後までわからないのは良いが、バックグランドというか因果がなさ過ぎて見終わったあと印象に残るものがない。

 

レッド・スネイク(吹替版)

レッド・スネイク(吹替版)

  • ディラン・グウィン
Amazon

レッド・スネイク
【1,500円】実話に基づいた物語らしい。イスラム過激派組織ISは異教徒の村を襲い、年配の男は殺され、男の子は洗脳されて自爆テロ用の兵士、女性は奴隷、若い女性は人身売買の商品になる。売られた先から逃げ出した主人公を助けたのは「蛇の旅団」と呼ばれる女性だけで構成された特殊部隊だった。自分の家族を殺したISに復讐をするために主人公は入隊する...主人公を買った男はイギリス人で、宗教的な背景はなく、単に人殺しがしたい、女性を自由にできる、それだけの動機でISに加わったそうだ。そんなものなのだろう。最後の方があまりにもトントン拍子で進みすぎ深みがない。

 

パシフィック・リム/アップライジン
【1,700円】ギレルモ監督が全面的にかかわっていた一作目に比べて評判が悪い二作目だが、私は楽しめた。主人公と生意気な女の子に我慢できるかが鍵だと思う。ただ一作目が持っていた、あの監督特有の湿った雰囲気が好きな人はがっかりするかな。

 

バトルスティー
【500円】ポスターを見て、てっきり巨大ロボット物だと思ったらぜんぜん違った。大規模なテロ集団に蹂躙されたアメリカ、警察も軍隊も都市型ゲリラに歯が立たない。ある企業が開発した技術でテロ集団に逆転できることがわかったが、それはあまりに危険なものだった...ラストで、主人公はその企業と技術にストップをかけたわけだが、ではテロ集団はどうするんだと。それへの答えを製作側は忘れているぞ。

 

インビジブル・ウィットネス
【1,800円】吉岡里帆主演の「見えない目撃者」は「盲目の目撃者」の意味だったが、本作は事件を目撃して主人公を脅迫している者がわからないという意味。不倫相手を殺害した罪で裁判中の主人公は大企業の若き社長。無実を訴える主人公の元に、顧問弁護士が紹介した勝率100%の弁護士がやってくる。主人公は何かを隠している、嘘をついている。そう思った弁護士、それを公判で検察側から指摘されたら裁判に勝てない。その日、主人公と愛人に何があったかを解き明かす弁護士。二転三転する事件の様相。ラストに大どんでん返しが待っている。そしてこのラストの伏線は、主人公が弁護士に会ったときの第一声に隠されているといるのが最後まで見るとわかる。この展開は見事だが、では物語自体が面白いかというとちょっと疑問で100円マイナス。