問題はそこじゃなくて...

日経のニュース。

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趣旨は「USBメモリを紛失したのは市から業務委託された会社の再委託先の社員ではなく再々委託先の社員だった」。私から見ると大きな差ではないけど。「再々委託先の社名は規模からも個人の特定につながる可能性があるので明らかにできない」と書いてあるからほぼ個人なんでしょ。私の友人がやっている会社も社員は社長が一人だけ。まさに役所から発注された仕事の孫請けをやってるよ。役所から1000万円で発注された仕事が、1000万円→500万円→200万円だって。ちなみに私はその会社の社長に次ぐナンバー2の株主になっていて、出資だけはしたがいまだに配当も給料ももらったことがない。娘が結婚をするときの紹介で「新婦の○○さんは、株式会社△△取締役のM14さんとXXさんの長女として」と読み上げてもらうためだけに取締役になっているが、結婚する予定がまったくないのでそろそろ退任しようかと。

尼崎の問題はそこではないでしょ。孫請けなんてざらにあることなので、そもそも個人情報を建物から外に出してはいけないのだよ。この記事でいちばん気になるのがここ。

この社員は市の許可を得ずにデータをUSBに複製して持ち出し

2つのケースが考えられる。
<許可をもらえばデータを複製して持ち出すことができた>
これは尼崎市における個人情報の管理方法の問題。市民の個人情報をなんと心得ているのか。起こるべくして起きた問題で、いったん持ち出されたらその後にどうなるか誰もわからない。外部で作業をすることが必要なときは最小限のデータに絞り、個人が特定できないように個人名をキーに置き換えて、そのキーと個人名の対応表は外部に出さないとかするよね。でも「データをUSBに複製して」と書いてあるからそのような措置をしていたわけではないようだ。
<データを複製して持ち出すことは禁止されている>
これはUSBを紛失しようが、あとから見つかろうが、複製した時点でアウト。事故ではなくて事件。警察が捜査をして調書を検察庁に送る案件。そうだとしても複製をして持ち出すことができてしまうのは尼崎市に責任がある。私が勤務していた会社だと建物から持ち出すどころか、セキュリティカードが無いと入室できない部屋があってそこで作業をする。その部屋に入るときはUSBメモリはもちろん、PCやスマホも持ち込み禁止。データを外部に持ち出すときは前段に書いたような処理を依頼してファイルを作ってもらう。

と、私がいちばん気になるのはここだったが、新聞やテレビも再委託のことしか言ってないのでマスコミ各社の個人情報の管理がその程度なんだろうね。アンケートなんかうっかり答えてはいかんよ。