梅雨のビデオまつり「さがす」「GANTZ:O」

この1週間に有料から会員無料になった作品をつぎつぎに見ていった。

さがす
【1,700円】映画館やテレビで予告編は見たが、こんな映画だとは思わなかったなあ。「こんな映画」であることを事前情報で隠し続けていたのか。3つのパートに分かれていて第1パートでは父親と二人暮らしの娘が、失踪した父親を探す話。父親が電車で指名手配犯の男を見た、あの男を警察に突き出せば懸賞金がもらえると娘に言った翌日に父親がいなくなる。父親を探す娘は、ある工事現場で働いていることを突き止めるが父親の名前を名乗っていたのは指名手配犯だった...ここまではあらすじに書いてある。時間がさかのぼって第1パートを父親の目から見たのが第2パート、その先が第3パート。この第2パートの異常な展開がゾクゾクする。ふざけない佐藤二朗を初めて見た。第2パートの最後で彼は狂気の境界を越えてしまうのだが、そこが「殺人に至る病」の阿部サダヲほど怖くないのが残念。監督は「岬の兄妹」の人か。あれも異常な映画だったので、今後が楽しみな監督だ。

ウィッチサマー (吹替版)

ウィッチサマー (吹替版)

  • ジョン・ポール・ハワード
Amazon

ウィッチサマー
【1,200円】両親が離婚して母親と住んでいる少年。夏休みに父親の家に遊びに行くが、父親には結婚を前提に交際している女性がいることを知り関係がぎくしゃくしてしまう。ある日、隣家の様子がおかしいことに気づく。そのころ町のいたるところで異変が起こっていた...ウィッチということだがオカルト色はなくて魔女というより魔物だな。敵は強いだけでなく、人間をさらったり殺したりすると、その人の存在を町の人々の記憶から消すことができる。この力のために少年が言ってることを誰も信じてくれなくてどんどん孤立する。この映画、個々の要素は悪くないのだ。侵略される町、強力な魔物、中二病の主人公、一夏のボーイ・ミーツ・ガール。ただ、どこに焦点を当てるかが定まってないのでとっちらかったままラストになる。

ミッドナイト・アフター
【?円】香港製のホラー映画。ベストセラーの原作があるらしい。これ、原作はどうなっているのだろう。Amazonビデオで見ていると残り時間がわかるが、あと5分でどうやって話をまとめるのだろう。まさか夢オチ? いや、これは前編で後編があるのか? と思いながら見ていたら終わっちゃった。この映画のプロデューサー、監督、スポンサーに問いたい。なぜここで終われるのかと。すべての謎を放り出して終了。上映時間3時間の超大作で作ったら、2時間で予算が無くなっちゃったとか。観光では行かない香港の町の様子が見られるのは良かった。

GANTZ:O
【1,700円】3Dアニメ。私はコミックも実写も見てないので黒い球と、一度死んだ人が怪物と戦うってことしか知らない。この映画は新たにメンバーになった主人公が古参のメンバーからこの世界の仕組みを教えてもらいながら戦う物語なので、私のような初心者でも理解できる。まったく期待しないで見たがけっこう面白かった。実写版のSF映画って、最近は人物以外ぜんぶCGでしょ。それに見慣れていると実写と3Dアニメの差ってわずかなんだよね。実写の方が3Dアニメに寄ってしまっているので以前のような違和感が少ない。あとエンドロールを見ると、登場人物全員にモーションキャプチャー用のアクターがいるのか。そうなると、坂本花織でモーションキャプチャーを撮影してCGの浜辺美波がスケートをすることだってできるわけだ。そのCGも顔をディープフェイクで貼り付ければ本人と見分けが付かない。実際にディープフェイクで作った吉岡里帆のAVがあったよ。胸が小さすぎるので偽物だとすぐにわかったけど。アニメの良作はあるのに実写が作れない日本の映画界にとって第三の映画として新しい潮流ができないだろうか。

マシンガーDEAD OR ALIVE
【500円】よくある設定。拉致されて腕に武器を付けられて戦わされる。日本人の私が見たからってことかもしれないが、感情移入できる人物がいないのが残念。