梅雨の映画まつり「大河への道」「きさらぎ駅」

予告編で小芝風花が主演の映画が2本もあってびっくり。稼ぎ頭がどんどん辞めて、いまやオスカーの命運は彼女の双肩にかかっている。

   

原作は落語でコミックもあるそうで、中井貴一の発案で映画化された作品。これはよくできている。松山ケンイチ北川景子岸井ゆきのは本当に脇役で、中井貴一とポスターに出ているバイプレイヤーたちで回していく。日本地図を完成させるという本筋に、笑い、涙、ハラハラが巧妙にからまった、まさに「ザ・日本映画」。現代版の配役全員が江戸版では別の役で出ているというアイデアも秀逸。あっという間の2時間だった。「キネマの神様」では最後に作品を締める重要な役を任されたと書いたが、本作でも要所要所で話を締めてつぎの展開につなげるのが北川景子の役目なんだよね。「花のあと」の監督というのもあるが、企画者である中井貴一にもそういう目で見てもらっているというのはファンとして誇らしい。親戚の子が生徒会長になったようなうれしさがある。

   

恒松祐里が主演の映画ってなかなかない。「全裸監督2」ってDVDは出ないのか? これだけを見るためにNetflixに入るのもなあ。本作もほぼイオンシネマだけの上映。ほかには佐藤江梨子、本田三姉妹の真ん中。原案は2ちゃんねるの都市伝説だが、本作はホラー映画というよりもホラーゲームを見ているような感じ。話の因果はまったくないので、どこでなにが起こるのか予想ができない反面、印象に残らない。恒松祐里って気が強くて怖い人の役が多いので敬遠する人も多いと思うが、よーく見てみ。美人だよ