富士通がメインフレームから撤退

あー、一つの時代が終わったね。いや、とっくに終わっていたのか。

xtech.nikkei.com

メインフレームなんて言葉、下手すると会社の情報処理部門にいる20代、30代の人は知らないかもね。大型コンピュータと呼ばれるやつ。それもわからないか。特徴は

・CPUがロッカーくらいのサイズ
・磁気テープ装置もロッカーくらいのサイズ
・磁気ディスク装置が冷蔵庫くらいのサイズ
・プリンタが洗濯機くらいのサイズ
・モデムが炊飯器くらいのサイズ
・パソコンサイズの管理用コンソールが中央にでんと置いてある
・部屋を一定の温度と湿度に保つ巨大なエアコンが必要
・スタートアップとシャットダウンの手順を守らなければならない
・プログラム言語は技術計算がFORTRAN、事務計算はCOBOL
・おもりをする人が必要
・不具合があるとメーカーの保守要員が飛んでくる

いまはもっとコンパクトになっていると思うよ。メインフレームでは巨人IBMがいて、富士通と日立がIBMの互換機を作っている。IBMを使っている会社に富士通や日立が同じ性能でもっと安い機種を売り込むわけだ。私が最初にいた会社の大阪工場と千葉工場でメインフレームを入れることになり、その千葉工場の担当者が当時20代の私だったわけだ。富士通か日立にすればよいものを、経営層の判断*1でなぜかNECACOS(エイコス)シリーズにしたもんだから、プログラムの移植にすげえ苦労をしたよ。事前に新宿の住友ビルで開催されている講習会の10コースくらいに通ったり、先に導入した大阪工場で1ヶ月くらい作業をしたり、振り返ればあれが私の青春の思い出だなあ。「ACOSか...なにもかもが懐かしい...」、部屋をひとつ占有していたメインフレームだが、CPUの処理速度もハードディスクの容量も通信速度も、いまのスマホより2ケタ劣るんだよね。ただ金額が金額なので、メーカーの営業、SE、保守がべったり付いてくれるので心強い。その点、いまの情報システムの担当者って当時ほど懇意に相談できる人がいないのではないかな。そこは大変だと思う。ところで話題のみずほ銀行は何を使っているのかな。調べたら

cloud.watch.impress.co.jp

IBMかあ。2015年の記事だが、数年後にこんなことになるとはねえ。それにしても写真のマシン、すごい外観だな。

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敵をぜんぶ倒して勝ったと思ったら、ふたが開いて煙の中からラスボスが出てくるやつ。実際にラスボスが潜んでいたが、それはIBMのせいじゃない

*1:なにかのバーター