ザコン閉店

残暑が厳しい。てか、真夏だよ、夏真っ盛りだよ。日差しが強いよ、熱風が吹くよ。この暑い中、ひさしぶりに秋葉原に行ってきた。ラオックス「ザ・コンピュータ館」(以下、通称の「ザコン」を使う)が9月20日で閉店になる。私としては一つの時代が終わった、隔世の感がある。いや、もう5年くらい前に変わっていたし終わっていたのだろう。それが非常にわかりやすく顕在化したのがザコンの閉店なのだと思う。
このザコンの閉店、オチがついている。ラオックス側は発表を控えていたのに、ここの地下1階に入っているメイド喫茶が「ラオックスさんが閉店するので私たちは泣く泣く出て行くことになりました。長い間のご愛顧ありがとうございました」と張り紙を出したので大騒ぎになった。これもまた、いまの秋葉原の象徴的な出来事であろう。
ザコンができたころって、事務計算は汎用機とかメインフレームと呼ばれる大型のコンピュータ。IBMや日立や富士通が作ってたやつね。科学技術計算は汎用機かミニコン。ミニコンはDEC*1やHP*2が作ってたやつね。パソコンのビジネスソフトが少しずつ出てきて「もしかするとパソコンってゲームだけじゃなくて仕事にも使えるかも」とみんなが思い始めたころだった。その後、DOS/Vマシンが出てきてNEC独占体制が崩れ始めて、Windowsが出てきてプリンタや周辺機器のドライバも心配なくなりメーカーなんかどこでも良くなった。そうなるとパソコンの敷居がどんどん低くなり専門店である必要がなくなる。それに合わせてヨドバシカメラなどのカメラ系量販店やヤマダ電機などナショナルリージョンの家電量販店がガンガン出店を始めて、どの店も目玉商品はパソコン。こうなるとわざわざ秋葉原まで行く必要もなくなるわけだ。昨今ではPC本体もソフトウェアも、もう十分な機能を持ってしまい買い換えのサイクルもどんどん遅くなる。私も以前は2年に1回は買い換えないと使えないソフトがあったのだが、最近は4年に1回。いま使っているPCなんか買い換える予定などまったく無い。
改めてこうやって書いてみると、秋葉原でPCだけの大型専門店を運営することがもう無理だとわかるね。今日、行ってみたらすでに在庫一掃セールもピークを過ぎて商品自体がほとんどなかったよ。まあ、買い物目当てで行ったわけではなく最後の姿を目に焼き付けようと思ったのだが、あまりに淋しい店内だった。あと、ヤマギワも無くなってたよ。書泉と並んでヲタクの聖地であるヤマギワソフト館、アイドルのサイン会や握手会の場所がなくなっちゃったよ。趣都・秋葉原はこれからどうなるんだろう。

*1:コンパックに買収された

*2:コンパックを買収した